日本共産党

しんぶん赤旗

政策

日本共産党のかかげる政策をご紹介します

24、貧困

日本社会のあらゆる分野に広がる、貧困と格差を是正します

2024年10月

 「自己責任」と「弱肉強食」の新自由主義路線をひた走る自公政権のもと、貧困と格差の拡大が深刻化しています。

日本の貧困率(相対的貧困率)は15.4%で、主要先進国で第2位の”貧困大国”となっています。子どもの貧困率は11.5%、ひとり親家庭の貧困率は44.5%で、いずれもOECD加盟国中のワーストレベルです。

日本共産党は、こうした事態の大本にある”財界・大企業の目先の利益最優先の政治”をやめさせ、物価高騰から暮らしを守る緊急の手だてをとりながら、経済停滞・暮らしの困難を打開する、経済政策の抜本的改革に取り組みます。くらしに希望が見える日本経済の再生に踏み出し、貧困の打開と格差の解消を進めます。

物価高騰から暮らし守り、貧困打開を進めます

消費税の減税、インボイスの廃止、中小企業への支援

――消費税率の廃止をめざし、緊急に税率5%に減税します。

――零細事業者やフリーランスを苦しめているインボイスを廃止します。

――中小企業を地域経済の重要な担い手、地域経済の活性化の柱として振興します。

政治の責任で賃上げを進め、非正規ワーカーの待遇改善をはかる

――最低賃金を時給1,500円以上(手取り月額20万円程度)にすみやかに引き上げ、地方格差をなくし全国一律最賃制を確立します。

――大企業の内部留保に時限的に課税して10兆円規模の財源を確保し、中小企業の賃上げへの直接支援を抜本的に強化します。

――ケア労働者の賃金を国が決めている公定価格や報酬の見直しなどで、引き上げます。

――不当な雇い止め、解雇をなくし、非正規ワーカーの雇用の安定をはかります。

――「同一価値労働同一賃金」「均等待遇」を徹底し、非正規ワーカーへの差別・格差をなくします。

――国、自治体が率先して非正規雇用の待遇改善を進めます。

社会保障の充実で、だれもが人権と尊厳を守られる社会に

――「マクロ経済スライド」など、年金を実質減額させる仕組みを凍結・撤廃し、年金を物価の値上がりや賃金の上昇に追いつかせる、年金の引き上げを行います。

――低年金の底上げ、最低保障年金の導入など、「頼れる年金」にするための改革をすすめます。

――高齢者に際限なく負担増を押しつける医療改悪をやめさせ、70歳以上の窓口負担を一律1割に引き下げます。高すぎる医療費の窓口負担の軽減・無料化を進めます。

――公費1兆円を投入し、人頭税のようにかかる均等割・平等割を廃止して、国民健康保険料(税)を抜本的に引き下げます。

――利用料の2割負担・3割負担の対象拡大、軽度者サービスの保険給付外しなど、自公政権が計画する「史上最悪の介護保険改定」に反対し、利用料・保険料の減免、保険給付の拡充をはかります。

――障害者児の福祉・医療は所得制限をなくし無料にします。

――自公政権が強行した生活保護費の削減を緊急に復元し、物価高騰に見合った水準に引き上げます。保護申請の門前払い、扶養照会、自動車保有やわずかな預貯金を理由に保護利用を拒む運用などを改めます。名称を「生活保障制度」に変え、権利性を明確にし、必要なすべての人が利用できる制度に改革します。

――失業者や「ワーキングプア」を対象とした、総合的な貧困対策を進めます。雇用保険を抜本的に改善し、失業給付期間の拡充、受給資格期間の短縮、退職理由による差別の是正などを行います。失業給付が切れても再就職できず、生活が困窮している失業者への生活扶助制度を確立します。職業訓練の拡充や訓練期間中の生活援助を強化します。

「女性の貧困」を打開します

ジェンダー平等の日本をめざす取り組みを進めながら、「女性の貧困」の打開を進めます。

男女賃金格差の是正など、働く場でのジェンダー平等を進めます

――生涯賃金で1億円もの差がある男女の賃金格差を是正して、賃金の底上げをはかります。

――非正規雇用の待遇改善で、ジェンダー平等を進めます。

――女性が多く働いている介護・福祉・保育などのケア労働の賃金を、「全産業平均」の水準に引き上げます。同時に、労働条件の改善、配置基準の見直し、雇用の正規化、長時間労働の是正に取り組みます。

――女性の低賃金の打開のためにも、最低賃金の時給1,500円以上(手取り月額20万円程度)への引き上げ、全国一律最賃制の確立をはかります。

――実質的な女性差別を横行させている間接差別をなくします。間接差別の禁止、同一価値労働同一賃金の原則を関係法令に明記します。

――家族的責任と働くことを両立できる労働のルールをつくります。

――職場におけるパワハラ、セクハラをなくすため、ハラスメント禁止条約を批准するとともに、法律にハラスメント禁止を明記します。

困難を抱えたり、貧困におちいったりした女性を救済・支援する施策を進めます

――住宅手当や公営住宅の保障、雇用保険の適用条件の改善、失業・半失業状態にある女性への雇用相談窓口の拡充、生活保護のすみやかな支給など、貧困状態を放置せず、社会的・政治的に支援する取り組みをすすめます。

――生活困窮、DV被害、社会的孤立、性的搾取など、さまざまな困難を抱えた女性たちの支援法を制定します。差別や人権侵害を受けやすい、こうした女性の実態をつかみ、教育を受ける権利の保障、安定した雇用、健康支援など、実態をふまえた支援策の充実、差別の是正をはかり、あらゆる立場の女性の権利を守ります。

――女性の性をおとしめ人格をふみにじる性の商品化、性的搾取を許さず、法規制と相談・啓発の体制を強化します。

――リプロダクティブ・ヘルス&ライツ、権利としての避妊や中絶を確立します。避妊薬と緊急避妊薬、中絶薬を安価でアクセスしやすくします。刑法の堕胎罪や母体保護法の配偶者同意の要件を廃止します。「生理の貧困」を根絶します。

シングルマザーへの経済的支援を拡充します

――児童扶養手当を、支給開始5~7年後に半減させるという措置をやめ、支給額の抜本的な引き上げや所得制限の見直しを進めます。

――母子家庭の母親が安定した仕事に就けるよう、長期の雇用確保にむけた就労支援、保育所の優先入所、安価で良質な公営住宅の供給など、くらしへの支援を強めます。

――結婚歴のないシングルマザーにも寡婦控除が適用されるよう所得税法を改正します。法改正以前にも、保育料の算定、公営住宅利用の手続きなど、寡婦と同等の控除を受けられるようにします。

女性の無年金・低年金問題の解消を進めます

――低年金を底上げし、全額国庫負担の最低保障年金を創設して、低年金・無年金の打開を進めるとともに、「第3号被保険者」問題などの解決をはかります。

――女性の低年金問題を解消するためにも、男女の賃金格差の是正、非正規労働者と正規労働者の均等待遇、業者女性の働き分を正当に評価する税制への改善などを進めます。

DV被害者への支援を強化します

――DV防止法を改正し、緊急保護命令の導入や保護命令期間の延長、保護対象の拡大を進めます。

――国の予算を増やし、関係諸機関との連携協力・ネットワークづくり、切れ目のない支援、配偶者暴力相談支援センターの増設、24時間相談体制の確立などを行います。

――民間シェルターへの財政的な支援を強め、施設条件の改善を進めます。

――中長期滞在できるステップハウスへの助成、公営住宅への優先入居など、被害者の自立、生活再建のための支援を強めます。

「子どもの貧困」の打開を進めます

子どもの貧困の実態を把握し、政府の責任で打開に取り組みます

――子どもの貧困の改善へ、政府の数値目標を明確にして、必要な給付等にとりくみます。児童手当の拡充をさらに進めます。

教育費負担の抜本的な軽減を進めます

――大学の学費値上げを中止し、値下げに向かいます。高等教育の無償化をめざし、ただちに大学・短大・専門学校の授業料を国の責任で半額にします。他の先進国にはない入学金制度をなくします。

――奨学金は給付制中心に改め、貸与奨学金の返済を半額に減らします。

――学校給食費を無償化します。憲法第26条は義務教育を無償としており、国の責任で無償化すべきです。

――0歳からの保育料の軽減、私立高校の無償化を拡充します。

低賃金・不安定雇用をなくすため、雇用のルールを確立します

――子どもの貧困打開のためにも、労働者の賃上げと労働時間短縮、非正規ワーカーの待遇改善など、働く人の権利を守るルールの確立を進めます。

困窮世帯の子どもへの支援を強めます

――ひとり親世帯が受給する児童扶養手当の抜本的増額と対象拡充を進めます。

――義務教育の子どもの給食費、学用品代、修学旅行費などを支援する就学援助について、支給水準の引き上げや対象の拡充など改善・充実を進めます。

――自公政権による生活保護費の削減にストップをかけ、物価高騰にふさわしい保護費の増額をはかります。とくに、子どものいる保護世帯に対して行われてきた、母子加算の減額や児童養育加算の減額などの改悪を、すみやかに是正します。

――「生活保護を利用しながらの大学進学は原則認めない」という行政の対応を見直し、保護世帯の子どもが世帯分離なしで大学に通えるようにしたり、虐待などの被害者が制度を利用しながら大学に進学できるよう改善を進めます。

子どもの医療費の無料化

――国の制度として18歳まで医療費の窓口負担を無料にします。

子どもの学習・生活・居場所づくりへの支援を

――生活保護世帯などの学習支援(無料塾)について、国による費用の全額負担を行います。

――「子どもの貧困大綱」にも位置づけられているスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを、すべての小・中学校に正規職員として毎日配置できるよう国の予算措置を進めます。

――学童保育の増設と指導員の処遇改善により、待機児童問題の解決と詰め込みの解消をはかります。すべての学童保育を6年生まで利用できるようにし、子どもたちの放課後の生活を支援します。学童保育の保育料減免を、国の制度にします。

――「子ども食堂」、遊びや学習もできる”居場所”づくりなど、ボランティアやNPOによる子どもを支える活動に対し、場所の提供や助成など、公的な支援を行います。

児童への社会的養護の充実を

――児童養護施設、乳児院、自立支援ホーム、里親など、社会的養護のもとで生活する子どもたちにきめ細やかな支援ができるよう施設の小規模化、職員の配置基準の見直し、専門職の配置などを行います。職員の処遇改善も急務です。

――施設を退所する若者に、公営住宅の優先利用など住まいを保障し、進学・就労を支援します。社会的養護の若者については、条件付きの貸付奨学金ではなく、すみやかに給付制奨学金の支給を行うべきです。これらの若者が、どんな問題でも相談できる、アフターケア事業を全国で進めます。

――児童相談所や自治体の児童家庭相談窓口への、専門性のある児童福祉司などの配置を増やし、保護者と子どもの支援を進めます。