日本共産党

しんぶん赤旗

政策

日本共産党のかかげる政策をご紹介します

27、高齢者

高齢者の人権と尊厳が守られる社会をつくります

2024年10月

 65歳以上の高齢者は3,600万人を超え、日本の人口の29%にのぼります。戦前、戦中、戦後の苦難の時代を、身を粉にして働き、家族と社会のためにつくしてきた人たちです。

高齢者は「多年にわたり、社会の進展に寄与してきた者」「豊富な知識と経験を有する者」として「敬愛されるとともに、生きがいをもてる健全な安らかな生活を保障される」と老人福祉法に明記されています。高齢者が安心して暮らせる社会をつくることは、政治の重要な責任です。

ところが、社会保障費の「自然増削減」をかかげる自公政権のもと、この間、高齢者は、年金の削減、医療費の負担増、介護サービスの取り上げなどの制度改悪にさらされ、高齢者と現役世代を「対立」させる世代間分断の悪宣伝によって傷つけられてきました。

コロナ危機が起こると、重症化・死亡のリスクがもっとも高い高齢者は、文字どおりの命の危機にさらされました。

そして今、高齢者は、物価高騰のもとでの年金目減り、介護の提供基盤の崩壊、命と健康を脅かす医療改悪のなかで、生活の基盤が崩され、人権と尊厳を脅かされる状況におちいっています。

日本共産党は、年金削減、介護の危機、医療の改悪をくいとめ、高齢者の人権と尊厳を守るため、緊急の提言を行っています。

 ➡「年金削減、介護の危機、医療改悪をくいとめ、高齢者の人権と尊厳を守るための緊急提言」(2024年9月26日)(https://www.jcp.or.jp/web_policy/2024/09/post-988.html)をご覧ください。

物価高騰にふさわしい年金に引き上げ、「頼れる年金」制度への改革を進めます

――「マクロ経済スライド」など「年金実質減額」の仕組みを凍結・撤廃し、年金を物価の値上がりや賃金の上昇に追いつかせる、年金引き上げを行います。

――異常で巨額の年金積立金を年金の引き上げに活用します。

――年金の保険料収入と加入者を増やす対策を進めます。

――低年金の底上げ、最低保障年金の導入など、「頼れる年金」にするための改革を進めます。

「5、年金」もご覧ください。

高齢者いじめの医療費負担増をやめさせ、負担の軽減、医療体制の整備・拡充を行います

――高齢者に際限なく負担増を押しつける医療改悪をやめさせ、70歳以上の窓口負担を一律1割に引き下げ、軽減・無料化を進めます。将来的には”窓口負担ゼロ”の医療制度にします。

――高齢者に負担増と差別医療を押しつける、後期高齢者医療制度を廃止します。

――公費1兆円を投入し、人頭税のようにかかる均等割・平等割を廃止して、高すぎる国民健康保険料(税)を抜本的に引き下げます。

――病床削減や病院統廃合をやめ、医師・看護師を増員し、地域医療の体制を拡充します。

――「マイナ保険証」の強制をやめさせ、健康保険証を存続させます。

➡各分野の政策「6、医療」もごらんください。

介護への国の支出を増やして介護の基盤崩壊を打開し、給付の充実と利用者の負担軽減を進め、高齢者も現役世代も安心できる介護・福祉制度にします

――介護保険財政の国庫負担割合を10%引き上げ、介護職員の賃金・労働条件の改善、介護報酬の底上げ、介護事業の継続支援を行い、介護の基盤崩壊をくいとめます。

――介護保険の給付削減と利用者負担増に反対し、保険給付の拡充と利用料・保険料の減免を進めます。

――特別養護老人ホームなど介護施設の増設をはかり、「待機者ゼロ」の実現に向けて、あらゆる施策を動員します。

――高齢者虐待、貧困、社会的孤立など、介護保険のサービスで対応できない事案に対応する自治体の福祉(措置)の機能と体制を強化します。

➡各分野の政策「8、介護」もごらんください。

高齢者の「住まいの人権」を保障します

「住まいは人権」の立場で、住居費用の負担が大変な高齢者や、病気・要介護のためにそれまで住んでいた住居に住み続けられなくなった高齢者が、低廉な費用で質の確保された住宅に居住できるようにする支援を強めます。

――低所得で体調に不安があり、様々な理由から同居家族がいない高齢者を低廉な費用で住まわせる「軽費老人ホーム(ケアハウス)」の増設を進めます。

――高齢者が住み慣れた町で暮らせるよう、国と自治体の責任で住宅整備や家賃補助を行う「地域優良賃貸住宅」の活用を図るなど、住宅福祉を抜本的に拡充します。

――虐待被害や貧困など困難を抱える高齢者を、市町村が救済して入所させる養護老人ホームの機能の再生・拡充を図ります。

――介護保険の住宅改修の改善をはかるとともに、自治体による住宅改造助成制度の新設・拡充を進めます。サービス付き高齢者住宅については、自己負担への補助制度の導入や入居者のくらしと権利を守る仕組みづくりを進めます。

――公営住宅やUR(都市再生機構)の賃貸住宅の建設を増やし、高齢者むけの家賃減免制度の拡充を図ります。民間賃貸住宅に暮らす高齢者に対し自治体の家賃補助制度の普及を進めます。

高齢者の就業・雇用・賃金にかかわる権利を守ります

――雇用継続や再雇用を望む高齢者に対し、賃金ダウンや待遇悪化を進める制度改悪に反対します。高齢者の雇用と賃金を守るため、アメリカやEUで実施されているような、「年齢による差別を禁止する法律」(仮称)の制定をめざします。

――シルバー人材センターを利用した低賃金で劣悪な雇用の拡大に反対し、賃金や労働条件、労働災害補償などの改善を図ります。高齢者の就労の場の確保のために活動している団体に対し、行政が支援を行うようにします。シルバー人材センターの会員にも消費税納税義務を負わせ、経済的・事務的負担増を強いるインボイス(適格請求書)制度を廃止します。

――高齢者が各々の意欲と能力にふさわしく働ける環境を整備するとともに、年金など社会保障の拡充で、”高齢者が無理をして働かなくても暮らしていける社会”にします。

安心・安全のネットワークづくりを進めます

社会保障改悪をやめて改善・充実を図ると同時に、行政が責任をもって地域住民と協力しあい、高齢者を地域で支える、安心のネットワークをつくることが急務です。

――自治体と地域包括支援センターが、地域の高齢者の実態を把握し、介護保険や民間では対応できない人を直接救済する体制を強化します。そのために、自治体の福祉職員の増員、地域包括支援センターの体制強化、養護老人ホームへの財政支援などを進めます。

――NPO、ボランティア団体、地域自治会、社会福祉協議会などに、地域で高齢者の暮らしをささえる多様な主体に、本来、介護保険や自治体福祉が行うべきサービスを”肩代わり”させる改悪をやめ、本来の役割の発揮を応援して、高齢者への配食サービス、見守り活動、緊急通報システムなどの普及・拡充を図ります。高齢者が積極的に外出し、住民同士で会食や交流などができる、ミニ集会所をきめこまかに整備します。

――「買い物弱者」(買い物難民)をなくすため、移動販売車への補助、商店街・小売店への移動手段の確保などを行います。