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72 カジノ問題

カジノ導入反対 ギャンブル依存症(賭博中毒)問題

2019年6月

安倍政権と自民、公明、維新の会によるカジノ法の強行

 安倍政権と自民、公明、維新の会の3党は2016年12月、カジノ法(特定複合観光施設区域推進法=IR推進法)を強行しました。これによって、カジノ施設が全国に最大で3カ所、設置される法的根拠がつくられました。

 政府は、カジノ法の成立をうけ、設置するIR施設の概要として、客室総面積が10万平方㍍以上のホテルと巨大な国際会議場、展示場を併設することを決定しました(2019年3月)。面積10万平方㍍といえば、東京ドームのグラウンド面積(13,000平方㍍)の約8倍に相当する巨大な施設です。カジノ面積はそのうちの3%を上限とするこことも決められました。

 しかし、カジノ=賭博解禁にたいする国民の反対と批判の声は依然として強く、2019年参院選を前に、当初政府が予定していたカジノ導入は計画通りに進んでいません。カジノを統制する機関として内閣府の外局に新たに設置するはずの「カジノ管理委員会」について、政府は当初、7月1日に開設し、その後、国土交通大臣(公明党)が「基本方針」を公表する方針でした。これらの方針が決まれば、ただちにカジノを設置する自治体やカジノ事業者の選定がはじまることになっていました。とくに「カジノ管理委員会」のメンバーとなる5人は国会同意が必要な人事案件であり、本来なら、6月26日に閉会した通常国会で決める予定のものでした。政府が、これを参院選後の秋以降に移さざるをえなかったところに、カジノ問題を選挙の焦点・争点にしたくないという自公などの姑息な思惑があります。

カジノはギャンブル依存症をふやすだけ

 カジノ推進勢力は、「カジノを導入すれば観光客が増え、地域経済が潤い、税収も増える」などと主張します。しかし、世界的にみても、IR(統合型リゾート施設)型のカジノで〝成功〟しているといえるのは、ほんの一握りの施設・地域だけ。圧倒的多数は、さまざまな問題をかかえています。

 カジノ導入にともなうギャンブル依存症の問題も看過できません。

ギャンブル依存症が疑われる者の割合
国名 備考
日本 3.6 ※1
オーストラリア 2.4 ※2
オランダ 1.9  
フランス 1.2  
スイス 1.1  
カナダ 0.9  
イタリア 0.4  
ドイツ 0.2  
※1:日本は男性6.7%、女性0.6%
※2:オーストラリアの値は男性。女性は1.7%
出典:厚生労働省研究班「国内のギャンブル等依存に関する疫学調査」

 厚生労働省の研究班は2017年9月29日、「国内のギャンブル等依存に関する疫学調査」を公表しました。全国300地点から1万人を対象に面接調査をおこなった結果です。(回答者数は53.7%の5,365人)

 それによると、ギャンブル依存症の人の割合は成人の3.6%、約320万人と推計されます。(生涯にわたるギャンブル経験についての調査。1年以内に限れば0.8%、約70万人)

 問題は日本のギャンブル依存症の比率が他国と比較して、異常に高いことです。(末尾の表参照)

 この要因となっているのが、世界に例をみない遊技であるパチンコです(パチスロ含む)。前述の厚労省研究班の調査でも、ギャンブル依存の疑いのある320万人のうちの8割(約256万人)がパチンコ依存と指摘されています。

 ギャンブル依存の問題は、当事者や家族にとって重大な問題ですが、社会的にも大きな損失となります。しかし、往々にして「個人の問題」「自己責任」という形で矮小化されて、その解決が社会的な課題だと理解されてきませんでした。精神科医の立場からギャンブル依存の問題を告発してきた帚木蓬生氏は、「ギャンブルはひとつの産業です。ギャンブルをする人は、その消費者と言えます」としたうえで、ギャンブルの消費者が借金を背負い、会社を首になり、家庭崩壊に行き着くなどの例をあげながら、次のように指摘しています。

 「はたしてこの悲惨な結末が、ギャンブル消費者の自己責任のみと、断罪できるでしょうか。/少なくとも、ギャンブルにこのような悲劇が必然的に付随しているのであれば、ギャンブル企業側に、危険性を警告する義務があります。消費者の権利として、その警告を受ける権利は、厳として存在するはずです」(『ギャンブル依存国家・日本』)

 隣国韓国では、パチンコ依存症が社会問題化するなかで、2006年にパチンコの全廃に踏み切りました。日本でもパチンコの弊害を議論し、その存廃について国民的議論を行っていく必要があります。また、存廃の議論の以前に、少なくとも、1980年代以降に強まったパチンコの賭博性を改めることや、現行の換金システムである「三店方式」(※)を改める必要があります。

※「三店方式」とは、パチンコの景品を、①パチンコ業者(パチンコホール経営者)と②景品買い取り業者、③景品問屋――の3者の間で行き来させて、最終的に客に現金を渡す仕組みのことです。これによって、表向きはパチンコ玉を現金に交換しないことから、警察などは「パチンコは賭博ではなく遊技だ」などと主張しています。

 こうしたときに、新たな公然とした賭博であるカジノを合法化するなどというのは、とんでもない愚挙です。カジノ推進派のなかからさえ、「カジノを合法化すれば、かならずギャンブル中毒患者は増える」と指摘されています。カジノ解禁は、世界最悪の病的賭博患者の数字を、さらに悪化させる結果にしかなりません。

どの地域であれ、カジノ導入・設置に反対します

 強行されたカジノ法にもとづいて、大阪や和歌山、北海道、長崎、横浜などの自治体では、カジノの誘致を実現しようとしています。

 また、いったんはカジノ計画がとん挫したと指摘される東京の動きも重大です。東京都港湾局が臨海副都心にカジノを含むIRの整備をひそかに検討していることも明らかになりました(「しんぶん赤旗」6月3日付、同21日付)。首都東京でのカジノの実現は、米国をはじめとする国際的なカジノ資本が狙ってきたところであり、水面下で日本の銀行や不動産業界と結託していることをうかがわせます。

 すでに、カジノ導入をねらう上記自治体では、地元住民を中心に「カジノ導入を許すな」との声が広がっています。そうした声をさらに広げることは、実際にカジノ計画をストップさせる大きな力となります。同時に、2019年参院選が非常に大きな意味をもちます。参院選の結果、カジノ導入を強行しようとしてきた自民、公明、維新の会に痛打を与えることができれば、実際にカジノ導入をやめさせることも可能です。

 日本共産党はひきつづき、「カジノ導入反対」「日本にどこにも賭博場はいらない」という人々と固く連帯して、日本全国どの地域であれ、カジノ施設の導入・設置に反対します。

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