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日本共産党

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12 子どもの貧困

子どもの貧困の解決に力を合わせてとりくみます

2019年6月

 貧困は、一人ひとりの子どもの成長の可能性を阻むだけでなく、貧困が次の世代に引き継がれる危険をつくりだしているという点でも、日本の未来にとって重大な問題となっています。

 親などが貧困の状態にある家庭で育つ18歳未満の子の割合をしめす日本の子どもの貧困率は13.9%、約7人に1人の子どもが「貧困ライン」(その国の平均的所得の半分以下の所得しかない家庭の子どもの割合)を下回っています(厚生労働省、2017年6月公表「国民生活基礎調査」)。なかでも深刻なのがひとり親世帯です。貧困率は50.8%、ひとり親家庭の半数以上の子どもたちが貧困状態にあることを示しています。主要国36カ国中24位と最悪の水準です。母子世帯の82.7%が「生活が苦しい」と答えています。「貯蓄がない」と回答した母子世帯は37.6%、全世帯平均14.9%の2倍です(国民生活基礎調査)。

 深刻な「貧困と格差の拡大」を生み出し、広げたのは、自己責任論をふりまき、働くルールを壊し、低賃金で働く非正規雇用の労働者を増やし、軍事費を増大させる一方で社会保障を削減してきた政府の施策にあります。日本の家族分野への社会支出は、対GDP(国内総生産)比で1.23%、イギリス3.57%、スウェーデン3.54%、フランス2.96%、ドイツ2.28%(いずれも2015年度)に比べて、極めて低い水準です(国立社会保障・人口問題研究所「社会保障費用統計」)。

 憲法25条で、すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すること、国は社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上と増進に努めなければならないとうたっています。今年で採択30年を迎える国連子どもの権利条約は、「子どもの最善の利益を主として考慮すること」(第3条)を基本とし,子どもの生存権・発達の権利を保障したうえで(第6条),子どもの身体的・精神的・道徳的・社会的な発達のために相当な生活水準についての権利(第27条)を規定しています。

 日本共産党は、憲法と国連子どもの権利条約にもとづき、子ともに健康で文化的な生活と明日への希望をもてる政治への転換をはかります。子育て世帯の困窮を解決し、くらしと育児を応援する総合的な対策をすすめます。

子どもの貧困を解決・改善するための経済的支援、社会的支援を強めます

 国と自治体の責任で、子ども医療費の無料化、小中学校給食の実施・無償化、児童手当の拡充、「高校生等奨学給付金」(年額数万円~十数万円程度)の拡充、大学・短大・専門学校の学費の段階的無償化、給付奨学金の抜本的拡充などをすすめます。お金の心配なく誰もが学べる教育の実現は、「貧困の連鎖」を断ち切るためにも、政治の重要課題です。すべての子どもたちの命と健康を守り、健やかな成長を保障することは子どもの貧困解決のためにも重要です。そのうえにたって、子どもの貧困の解決にむけ、経済的支援、社会的支援を強めます。

就学援助を拡充します――義務教育の子どもの給食費・学用品代・修学旅行費などを援助する就学援助制度は経済的な困難をかかえる子どもに義務教育を保障するための命綱です。就学援助利用者の割合は小中学生全体の15.04%(2016年度)、6人から7人に1人の子どもが利用しています。ところが、「子どもの貧困」が深刻な問題になっているときに、自公政権が制度への国庫負担を廃止し、各地で就学援助の縮小を引きおこしました。国庫負担制度をもとに戻し、対象を生活保護基準×1.5倍まで広げ、支給額も増額するとともに、利用しやすい制度にします。

生活保護を拡充します――政府は2018年度から、生活保護の母子加算や0~2歳児の児童養育加算を削減しています。「子育て応援」のうたい文句とはまったく逆に、教育と子育てに冷たく、「貧困の連鎖」を広げる施策をすすめています。母子加算、児童養育加算を復活・拡充させます。

児童扶養手当を拡充し、ひとり親家庭への支援を強めます――ひとり親世帯は89万世帯にのぼっています(2017年6月)。とりわけ男女賃金格差が大きな日本の母子世帯の暮らしはいっそう大きな困難をかかえるものとなっています。厚生労働省の国民生活基礎調査(2016年)では「貯蓄がない」母子家庭世帯は37.6%、「借入金がある」が28.1%です。児童扶養手当を抜本的に増額します。第2子、第3子以降への加算額は、一律10000円に引き上げます。年3回だった支払回数が2019年11月から年6回になりますが、毎月支給へさらに改善をすすめます。現行18歳までの支給を20歳未満にします。

離婚後の養育費問題の解決をはかります――離婚後の子の養育費問題の解決はひとり親家庭の子の暮らしを改善するうえでも重要です。日本では、養育費の取決めそのもの自体が43%、取決めどおりに支払われているのは30%です(相談支援センターの電話調査結果)。スウェーデン、ドイツ、フランスなどで行われている国による養育費の立替え払い制度。養育費取り立てを援助制度などの確立をすすめます。

未婚ひとり親家庭への寡婦控除の適用を実現します――切実な要求と世論の高まりのなか、死別や離婚のひとり親家庭におこなわれている公営住宅の入居や家賃、保育料や児童扶養手当、高等職業訓練促進給付金などの支援策を未婚ひとり親家庭にもおこなう見なし適用がひろがっています。未婚ひとり親家庭への税制の寡婦(夫)控除の適用も実現させます。

子育て世代向けの公共住宅の建設など子育て世代の支援を強めます――日本の住宅政策は持ち家支援優先でおこなわれた結果、公的な住宅はわずか5.3%に過ぎません。子育て世代向けの公共住宅の建設や「借り上げ」公営住宅制度、家賃補助制度、生活資金貸与制度などの支援を特別に強め、子育て世代を支援します。

貧困問題の根本解決のためにも、安定した雇用と賃金を保障する労働のルールを確立します。

 日本社会に貧困が広がった大きな要因の一つは、低賃金で不安定な非正規雇用が拡大していることです。労働者派遣法の改悪など労働法制の規制緩和が拍車をかけ、子育て世代の生活に深刻な影響を与えています。異常な長時間労働は、子育てを困難にし、子どもが安心して暮らすことができる権利を奪っています。ひとり親家庭の子どもの貧困がとくに深刻なのは、「正社員なら長時間労働は当たり前」とする働かせ方が横行し、子どもを育てるためには低賃金労働しかない、という状況が広がっていることにあります。政府が児童扶養手当などの経済的支援は削減し、一方でますます低賃金で働かせ続ける社会をつくってきたことが、貧困を拡大し、深刻化させたことは明らかです。

 子どもの貧困問題の解決のためにも、賃上げ、長時間労働の解消など、人間らしく働くルールをつくり、低賃金・不安定雇用をなくします。

長時間労働を是正し、子どもたちが安心して過ごせる社会をつくります――安倍政権がすすめるニセの「働き方改革」ではなく、残業時間を法的に規制し、過労死を生み出す長時間過密労働を是正し、「8時間働けばふつうに暮らせる社会」をつくることは、子どもたちが安心して、生き、成長できる何よりの保障です。残業代ゼロ制度を廃止し、労働基準法で「残業は週15時間、月45時間、年360時間まで」の上限規制などをすすめます。

同一価値労働同一賃金・均等待遇、非正規労働者の正社員化などをすすめます――同一価値労働同一賃金と均等待遇をすすめ、労働基準法、男女雇用機会均等法、パート労働法、労働者派遣法に明記するなど、非正規への不当な差別・格差をなくします。労働者派遣法を抜本改正し、製造業への派遣や日雇い派遣の禁止、常用代替を目的とした派遣の禁止などをすすめます。無期雇用への転換が迫られる5年を前に非正規雇用労働者を解雇する違法・脱法行為がまかり通っています。これを厳しく取り締まる労働行政を確立します。派遣労働は臨時的・一時的業務に限定して正社員の派遣労働への置き換えをなくします。

最低賃金を全国どこでもただちに1000円にし、1500円をめざし、全国一律の最低賃金制度、中小企業の賃上げ支援制度をつくります――最低賃金を全国どこでもいますぐ1000円以上に引き上げ、さらに1500円をめざします。最低賃金の地方間格差を是正し、全国一律最低賃金制に踏み出します。中小企業の賃上げをすすめるために、労働者を雇用すれば赤字でも負担する社会保険料の事業者負担分を賃上げ実績に応じて減免する中小企業賃上げ支援制度をつくります。

社会の連帯と共同のとりくみを支援します

 子どもの貧困が大きな問題となるなかで、子どもたちに食事を無料・低額で提供する子ども食堂や、生活保護世帯の子どもたちの学習を支援する無料塾の取り組みなどが広がっています。朝食を学校など家庭以外で提供するとりくみも広がっています。

 内閣府調査によれば、その団体が主として実施している活動は、「居場所づくり」が29.6%、「食の支援」が27.3%、「学習支援」が19.5%となっています(「2018年度 子どもの貧困に関する支援活動を行う団体に関する調査」)。

 居場所として、地域の交流の場としても積極的な役割を果たしており、社会的支援をひろげる貴重なとりくみとなっています。

 しかし、問題なのは、調査に協力した団体の約6割が「資金に困っている」と回答していることです。

 ボランティアやNPOなどの子ども食堂の取り組みへの努力をこたえ、施設の提供、国・自治体の財政支援などを強めます。

 生活保護世帯などの学習支援(無料塾)は、2015年度から生活困窮者自立支援法の任意事業となり自治体が費用の2分の1を負担するしくみになりました。しかし、その費用負担のために実施をためらう自治体も少なくありません。国とともに、企業が社会的責任をはたすとりくみとして負担するしくみをつくります。

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