2016参議院議員選挙/各分野の政策
58、南シナ海
2016年6月
一方的な現状変更と軍事的緊張を高める行動の中止を求める
南シナ海の問題で日本共産党は、第5回中央委員会総会(2016年4月10-11日)で党の見解を表明しました。この見解は中国を含む関係国の在京大使館に届けるとともに、5月に市田忠義、緒方靖夫両副委員長がそれぞれ訪中した際、中国共産党の幹部に直接話をしました。
(「しんぶん赤旗」記事)http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-07/2016050702_01_1.html
(「しんぶん赤旗」記事)http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-28/2016052802_06_1.html
5中総で表明した見解は、以下の通りです。
南シナ海の紛争問題をいかにして解決するかということであります。南シナ海では、2年前、西沙諸島近辺に、中国が石油掘削装置を設置して緊張が高まり、わが党は、談話を発表して、現状を変更する物理的対応・軍事的対応をとらず、あくまでも外交交渉による平和的解決に徹することを求めました。
その後、中国による南沙諸島での人工島の造成、さらに今年に入ってから、レーダーの設置や、西沙諸島でのミサイルや戦闘機の配備が明らかになりました。中国とASEAN(東南アジア諸国連合)諸国が締結した「南シナ海行動宣言」(DOC)は、「現在無人の島嶼(とうしょ)、岩礁、浅瀬、洲その他のものへの居住を慎む」ことを求め、「紛争を複雑化あるいは激化させ、また平和と安定に影響を与えるような行動を自制する」と規定しており、中国の行動は明らかにこの約束に反します。わが党は、南シナ海での一方的な現状変更と軍事的緊張を高める行動を中止するよう求めるものです。
同時に、この問題でも、解決の方法は、対話に徹することにあります。ASEAN諸国は「南シナ海行動宣言」(DOC)の順守とともに、それを「南シナ海行動規範」(COC)に発展させることを粘り強く追求してきたし、今も追求しています。日本政府が行うべきは、こうした対話による解決を促すための外交努力であることを強調したいと思います。
この問題をめぐって、安倍首相は、安保法制=戦争法の成立を受け、昨年11月の日米首脳会談で、南シナ海問題で日米の連携を強化し、自衛隊の派遣について「検討する」と表明しました。この地域での戦争法の発動は、事態の解決に貢献しないだけでなく、軍事的緊張を高める結果にしかならないことを、強く警告しなければなりません。