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日本共産党

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赤旗

2014年 総選挙各分野政策

8、税制

消費税大増税を中止し、富裕層と大企業を優遇する不公平税制をただします

2014年11月


 自公民3党が2012年に成立させた消費税増税法にもとづいて、今年(2014年)4月に消費税率が5%から8%に引き上げられました。この結果、アベノミクスによる円安の効果と合わせて物価が急上昇し、国民の実質所得が落ち込み、消費が冷え込んだ結果、GDPは2期連続でマイナスとなり、日本経済は深刻な危機に陥りました。

 安倍政権は、この大不況にあわてて、2015年10月に予定されていた消費税率の10%への引き上げを、2017年4月まで延期しました。しかし、「先送り」しても増税を実施するのでは、ふたたび「増税不況」を引き起こすことになります。

 安倍政権は、国民には消費税増税をおしつける一方で、財界の要求にこたえて、大企業には法人税率の引下げで大減税ばらまきを計画しています。この間、民主党政権の時代を含めて、大企業や富裕層への減税が繰り返されてきました。消費税創設以来の26年間で、消費税の総額は282兆円にものぼりますが、ほぼ同じ時期に、法人3税は254兆円(89年度のピーク時に比べて)、所得税・住民税も248兆円(91年度のピーク時に比べて)も減ってしまいました。消費税は、その穴埋めに消えてしまったのです。

 税は「応能負担」が原則です。所得の少ない人には少なく、所得の多い人にはより多く負担してもらう、そして、生活に必要な最低限の所得をも得られないような人は非課税にするのが当然です。「貧困と格差」が大きな問題となっている今こそ、この原則がいっそう大事になっています。

 大企業や富裕層に減税の「大盤振る舞い」をしてきたことが、税収に大きな穴をあけ、巨額の政府債務の原因にもなっています。財政危機から脱却する道を確立するためにも、行き過ぎた減税にメスを入れることが必要です。

 日本共産党は、(1)国民のくらしと営業をまもる、(2)社会保障の財源を確保し、財政危機を打開する、(3)不公平税制の歪みをただす――という3つの角度から、「能力に応じた負担」の原則に立って、次のように税制の改革を進めます。

 

消費税10%への増税は、先送り実施ではなく、きっぱり中止します

 政府は、消費税増税の影響は「駆け込み需要とその反動減」だけだとして、「増税後の4-6月は景気が落ち込むが、7-9月には回復する」と言ってきましたが、実質GDPは、2期連続のマイナスとなってしまいました。消費税の増税が国民の購買力を奪い、単なる「反動減」にとどまらない深刻な消費の落ち込みをもたらしたからです。

 安倍首相は、10%への増税を2017年4月まで1年半先送りすると表明しましたが、これでは、2017年にふたたび「増税不況」を引き起こすことになります。しかも、安倍首相は“景気が悪化したら増税を見直す”という「景気条項」を法律から削除するとしています。2017年に景気や国民の暮らしがどうなっていようと、増税を強行するというのです。こんな暴走はゆるせません。

 消費税の10%への増税は、先送り実施ではなく、きっぱり中止することを求めます。そのために、国民のみなさんと力をあわせて、たたかいます。

 

社会保障充実と財政危機打開の財源は、「消費税ではない別の道」でつくります

 政府は「消費税増税は社会保障のため」と言いますが、増税による2014年度の消費税収の増加額5兆円のうち、「社会保障の充実」に充てられたのは、わずか0.5兆円にすぎませんでした。年金削減、医療費引上げ、介護の取り上げなど、社会保障は充実どころか改悪の連続です。消費税の増税分は、実際には、大型公共事業や、軍事費などの浪費にあてられてしまっています。

 日本共産党は、2012年2月に発表した「消費税大増税ストップ!社会保障充実、財政危機打開の提言」で、①歳出のムダ一掃、富裕層と大企業の応分の負担を求める財政改革、②大企業の内部留保を活用し、国民の所得を増やして経済を健全な成長の軌道にのせる民主的経済改革―によって当面の社会保障再生と財政危機打開の財源を確保するとともに、将来、先進水準の社会保障拡充をめざす段階では国民全体に負担を求めるが、その場合も消費税ではなく、所得税を中心とした「応能負担」の原則をつらぬくことを提案しています。

(提言のリンクはこちら、 消費税大増税ストップ! 社会保障充実、財政危機打開の提言

 さらに、今回、その後の2年間の経済情勢や税制の変化などをふまえて、改めて財源試算を行い、「『消費税にたよらない別の道』-日本共産党の財源提案」として発表しました。

(提案のリンクはこちら、「消費税にたよらない別の道」-日本共産党の財源提案

 こうした、「消費税ではない別の道」を進めば、歳出のムダの一掃と税制改革で約20兆円、経済改革による税収の自然増で10年後には約20兆円、あわせて40兆円の財源を確保することができます。これによって、社会保障充実の財源を確保しながら、財政危機を打開することが可能となります。

 

将来的には消費税廃止をめざします

 消費税は、低所得者ほど負担の重い税金です。震災や津波で家や職を失った被災者にも、収入がなくなけなしの預貯金を取り崩しながら不安な生活を送っている人にも、多重債務に苦しんでいる人にも、生活のために消費しているかぎり、消費税の負担がのしかかります。消費税は「生計費非課税」の原則に反する税金です。

 事業者にとっては、販売する商品に消費税が転嫁できているか否かにかかわらず、消費税が課税されます。経営が赤字であっても消費税は納税しなければなりません。その一方で、輸出大企業が下請業者に消費税分の単価引下げを強要しておきながら、自らは「輸出戻し税」を受け取るという矛盾も起きています。

 このような消費税は、「能力に応じた負担」という税の原則に反する税制です。日本共産党は、このような消費税に反対し、将来的には、その廃止をめざします。消費税を廃止した段階では、ぜいたく品や環境に負荷を与える商品・サービスなど、品目を限った個別間接税を実施します。

 消費税廃止にいたる以前の段階では、次のような改善をすすめます。

──食料品など生活必需品の消費税を非課税(ゼロ税率)にします。食料品や水光熱費などの生活必需品は、所得の多少によって支出額があまり違わないため、所得対比でみた消費税負担率が低所得者ほど重くなる「逆進性」がとくにひどくなります。こうした品目を非課税にすれば、家計をたすけるとともに、税制のゆがみをただすことにもつながります。

──消費税の免税点が年間売上3000万円から1000万円に引下げられた結果、零細な業者までが消費税の納税義務を負わされ、税が払えないために廃業を余儀なくされるなど、深刻な事態が広がっています。売上3000万円以下の業者は課税業者の半分にもなりますが、消費税収全体に占める割合は3.4%にすぎません。しかし、1業者あたりの税額は21万円(税率5%の時期の統計データ)で、零細な業者にとっては大きな金額です。消費税の延納措置を認めるとともに、免税点を引き上げます。

──保険診療などの医療費は消費税非課税とされていますが、病院や診療所が仕入れる医薬品や医療機器などには消費税が課税されています。これによって、医療費の負担も増えるとともに、病院などの経営も圧迫されています。医療には「ゼロ税率」を適用し、医薬品などにかかった消費税が還付されるようにします。

 

富裕層優遇の不公平税制をあらためます

 この間、富裕層への減税が繰り返されてきました。99年には、所得税・住民税の最高税率(課税所得3000万円超)が、あわせて65%から、50%に引き下げられました。2003年度には「証券優遇税制」が導入され、上場株式の配当所得や株式譲渡所得の税率は、わずか10%(所得税7%、住民税3%)に軽減され、これが昨年(2013年)まで11年間も続きました。証券優遇税制が廃止された今でも、配当や株式譲渡所得への税率は、どんな富裕層でも20%(所得税15%、住民税5%)という低い税率になっています。

 ほんらい所得税は、所得が高い人ほど負担率が高くなる累進税制になっているはずです。ところが、国税庁の統計では、所得が1億円を超えると逆に負担率が下がってしまいます。お金持ちほど、株式や土地の譲渡所得などが多く、これらの所得の税率が低いからです。最新の2012年分の統計データで計算すると、所得100億円超の超富裕層の所得税負担率は14.6%しかありません。住民税や社会保険料を含めた負担率の推計値は18.2%で、これは所得200万円の人の負担率(23%程度)より低くなっています。こんな不公平がまかり通っていたのでは「働くのが、ばからしい」という風潮を広げてしまいます。こうした金持ち優遇税制を改めることが、消費税増税にかわる必要な財源を確保するためにも、格差と貧困の是正に向けて税制による所得再分配機能を再建・強化するためにも、不可欠となっています。

──引き下げられた所得税・住民税の最高税率を引き上げ、累進税制を強化します。所得税の最高税率は、2015年から引き上げられることになっていますが、対象は課税所得4000万円超(5万人程度)に限定され、引上げ幅もわずか5%です。これでは税収も600億円足らずしか増えません。99年に所得税・住民税あわせて15%引き下げられた税率を元の水準に戻せば、約1兆円の増収が見込めます。

──世界に例を見ない大資産家優遇の配当や株式譲渡所得の税率軽減措置を改めます。証券優遇税制が期限切れとなり、所得税・住民税あわせた税率は20%となりましたが、欧米の富裕層の株式配当への最高税率は、アメリカ(ニューヨークの場合)32.7%、イギリス42.5%、ドイツ26.375%、フランス60.5%(2013年1月現在)であり、日本は依然として低い状況が続いています。株式配当は少額の配当や低所得者の場合を除き、勤労所得などとあわせた総合課税を義務づけ、富裕層の高額の配当には所得税・住民税の最高税率が適用されるようにします。譲渡所得についても将来的には総合課税とすることを検討しますが、分離課税が続いている間も、欧米諸国の水準にあわせて高額所得者には30%以上の税率が適用されるようにします。

──大株主の中には、保有する株式を自分が出資してつくった資産管理会社の名義にしている人がいます。たとえば、アベノミクスの2年間の株価上昇で資産が100億円以上増えた富裕層が100人以上いますが、これらの人の保有する株式の時価総額(11月14日現在)13.5兆円のうち、5.6兆円が資産管理会社名義となっています。資産管理会社名義にすることによって、所得税や住民税が軽減される結果になっています。配当を総合課税にしても、今のままでは資産管理会社名義の株は対象外となってしまいます。こうした「合法的な課税逃れ」を防ぐ方策を検討します。

──相続税・贈与税の最高税率は、2003年に70%から50%に引き下げられました。2015年から55%に戻すことになっていますが、わずかにすぎません。逆に、基礎控除を引き下げ、少額の遺産への課税を強化しようとしています。孫などに1人1500万円までの「教育資金一括贈与の非課税枠」を創設するなど、富裕層向けの減税措置は強化されています。少額の資産への課税ではなく、最高税率を元に戻し、富裕層の資産への課税を強化します。

──相続税の課税評価額に準じた基準で5億円を超える資産を保有する者に対して、毎年、累進的だが低い税率で課税する「富裕税」を創設します。資産管理会社に保有株式の名義を移して所得税の「課税逃れ」をすることによって巨額の資産をつくった富裕層に対しても、資産管理会社を保有していること自体を「資産」とみなすことができますから、「富裕税」は課税でき、不公平の是正に役立ちます。

──現行の被用者年金では月給62万円、医療保険制度では121万円を超えると、保険料が頭打ちになってしまい、月給が何百万円になっても負担額が変わらないため、全体として逆進的な負担となっています。政府も、医療保険料の上限の若干の引上げを検討していますが、より抜本的な是正が必要です。全体として上限を引き上げるとともに、高齢者医療への拠出金相当分や介護保険料など、税金的な性格の強い保険料については上限を廃止するなど、負担の公平をはかります。その際、所得税や住民税の社会保険料控除については現行の青天井方式をあらため、一定の上限を設けるようにします。

 

大企業優遇税制をあらためます

 この間、民主党政権下の2012年度に法人税の税率が30%から25.5%に引き下げられました(地方税を含む実効税率が40%から35%に引き下げ)。当面の3年間は、減税額の一部を「復興特別法人税」として課税することになっていましたが、安倍政権はこれも2年限りで打ち切ってしまいました。そのうえ、2015年度からは、さらに法人税率を引き下げようとしています。

経団連は、法人実効税率を25%程度まで引き下げることを要求しており、これを実施すれば5兆円もの大減税になります。政府の「新・成長戦略」(2014年6月)では、今後数年間で実効税率を20%台にするとしていますが、これを実施しただけでも2.5~3兆円の減税です。

 大企業の多くは、アベノミクスの円安・株高の恩恵を受け、リーマン・ショック以前を上回る、史上最高の経常利益をあげています。大企業の内部留保は1年間で13兆円も増え、285兆円のも達しています。一方、賃金の伸びはわずかにとどまり、設備投資も進んでいません。増えた内部留保の多くは、「余剰資金」となり、日本経済の成長につながっていません。こうした空前の「カネ余り」状態にある大企業にさらに法人税の減税をしても、このカネ余りがいっそう促進されるだけです。

 そもそも、「日本企業の負担は重い」というのは正確ではありません。2012年度の国税庁の統計データから計算すると大企業の法人税の実質負担率は14%と、法定税率(25.5%)や中小企業の実質負担率(25%)に比べ、はるかに低くなっています。地方税を含む法定実効税率は約35%ですが、日本のトップクラスの大企業約400社は、平均して税引き前利益の24%しか税を負担していません(2013年度決算)。

 「負担を軽くしないと企業が海外へ逃げていく」という宣伝もされています。しかし、海外子会社からの配当を非課税にするなど、海外進出企業を優遇する税制を進めてきたこそが問題です。企業が海外に行ってしまうことを心配するなら、こうした海外進出企業優遇税制こそ改めるべきです。

──安倍政権が検討している法人税率の引下げを中止します。民主党政権が実施した大企業の法人税率を30%から25.5%に引き下げる減税を元に戻します。将来的には、OECD(経済協力開発機構)でも指摘されたことがある「有害な法人税の引下げ競争」を見直す国際的な働きかけをすすめ、下げすぎた法人税率の適切な引上げをはかります。

──03年度に大幅拡充された研究開発減税は、研究開発費の10%程度を法人税から減額するというものです。以前は「研究費を増やした企業に減税する」というものでしたが、今では、研究費を減らしても減税になるという制度です。この制度を利用しているのは、ほとんどが大企業であり、減税などなくても研究費に困らない、内部留保を抱えた企業が多くを占めています。こうした大企業優遇にメスを入れます。

──グループ内の黒字企業と赤字企業の利益を相殺させることができる連結納税制度によって、年に5800億円もの減税になっています(国税庁の2013事務年度)。トヨタ、日産自動車、ホンダ、NTT、ソニー、東芝など、名だたる大企業が連結納税制度の利益を受けています。こうした税金逃れをやめさせます。

──海外を含めた企業再編が進められる中で、大企業の利益の中で、グループ企業や海外子会社からの配当が占める割合が増加しています。こうした配当には、「受取配当益金不算入制度」や「外国税額控除制度」などが適用されるため、税負担が大幅に軽減されています。そのうえ、2009年から「海外子会社からの配当非課税制度」が導入されました。財務省の試算でも、受取配当益金不算入制度で1.4兆円、海外子会社配当非課税制度で0.6兆円の減税になっています(2012年度)。「海外で稼ぐほど税金が安くなる」という税制を政府自らがつくったのでは、ますます海外進出の勢いが強まり、国内産業の空洞化を招きかねません。こうした優遇税制を縮減します。

──アップル、スターバックスなど世界的な大企業が、税率の低い国に設立した子会社に利益を移し、本国でほとんど税金を払っていない事実が明らかとなり、怒りの世論が広がりました。日本の大手企業の間でも、特許など知的財産を海外子会社に移すなど税逃れが広がっています。ヨーロッパのルクセンブルクが有力企業の税逃れに加担した疑惑が暴露され、日本の大企業の名前も挙がりました。大企業や富裕層の税逃れに利用されているタックスヘイブン(税金が低く、秘密性の高い国や地域)への対策など、現在OECDやG20でも議論が進められています。ところが、日本の財界は、タックスヘイブン対策税制の骨抜きを政府に求めるなど、国際的な流れに逆行する動きを強めています。国際的な税逃れに対し、国内税制の強化とともに、国際的なルールづくりへのイニシアチブの発揮を、日本政府に求めます。

──多額の為替取引に対して低率で課税する「為替取引税」を創設します。東京外為市場の取引額は年間推計94兆ドル(2013年度)で、15年間で2.5倍以上に増えています。投機マネーによる取引が増加しているからです。0.01%程度の低い税率でも、いまの為替レート(1ドル=115円前後)だと、1兆円の税収になります。通常の貿易や金融取引には影響がない、きわめて低率の税ですが、取引を多数繰り返して行う投機マネーにとっては負担となり、投機マネーの行き過ぎた動きを抑制することができます。

 

個人所得課税は「応能負担」「生計費非課税」をつらぬきます

 この間、民主党政権下で、子ども手当の財源確保を理由にして所得税や住民税の年少扶養控除が廃止され、「高校授業料無償化のため」として、16~18歳の特定扶養控除の上乗せが廃止されました。さらに、安倍政権は、配偶者控除など他の人的控除の廃止・縮小の議論も進めています。

 これらの人的控除は「生活に不可欠な経費には課税しない」という「生計費非課税」の原則を具体化したものであり、憲法に定められた生存権に基礎を置くものです。「所得控除は高額所得者ほど減税額が大きくなり、金持ち優遇だ」という議論がありますが、これは誤りです。所得税・住民税の配偶者控除を廃止した場合、年収500万円なら7.1万円の増税で、対年収比で1.4%の増税ですが、年収1億円なら18.5万円の増税で、対年収比では0.185%にしかなりません。

 安倍政権は、「女性の活躍」を促進するために、配偶者控除を廃止・縮小すると言いますが、女性が社会で活躍するのを妨げているのは、賃金や労働条件などの男女差別や、長時間労働で男性の家事や育児への参加が困難にされていること、保育所整備の遅れなどに大きな原因があり、税が主要な問題ではありません。「女性の活躍」を口実に庶民に増税を押しつけることは許されません。

 課税最低限が長期にわたって据え置かれてきたために、低賃金労働者の税負担が強まっています。たとえば、単身者が最低賃金(全国平均額)で年間2000時間働いた場合、1990年には所得税も住民税も課税されませんでしたが、今は所得税1.9万円、住民税4.5万円、あわせて6.4万円もの税負担が生じます。低所得者の税負担を軽減するために、課税最低限の引き上げをはかることが必要です。

──配偶者控除の廃止・縮小による庶民増税に反対します。

──1995年以来20年近くも据え置かれている基礎控除の引き上げをはかります。現行の38万円を2倍に引き上げれば、サラリーマンの所得税の課税最低限は、単身者で現行の114.4万円から156.6万円に上昇し、ヨーロッパ(イギリス152万円、ドイツ153万円、フランス257万円)並みの水準となります。財源面などの制約から基礎控除の大幅な引き上げがすぐにはできない場合には、1989年以来25年間も据え置かれたままとなっている給与所得控除の最低額(現行65万円)を引き上げます。これは、低所得者だけの減税で、富裕層には恩恵が及びませんから、財源はわずかで可能です。少なくとも、最低賃金(全国平均)で労働者の平均所定内労働時間(年間1600時間程度)働いた場合(年収125万円程度)には所得税が課税されないようにするため、10万円以上の引上げをはかります。

──120万円に引き下げられた高齢者の公的年金等控除の最低保障額を140万円に戻します。所得500万円以下の高齢者について、所得税50万円、住民税48万円の老年者控除を復活します。高齢者の住民税の非課税限度額を復活します。

──2011年から、400万円以下の年金について確定申告が不要となりましたが、申告をしないと医療費控除などが受けられず、損をする場合があるため、制度の周知など、改善をはかります。介護保険の要介護認定を受けている人などが障害者控除の認定を受けやすくするように、制度運用を改善します。

──介護保険や医療保険など、家族の年金などから源泉徴収された社会保険料についても、それを実質的に負担している納税者の所得から社会保険料控除ができるように、改善をはかります。住民税の年金からの特別徴収(天引き)については、各人の希望で普通徴収に変更できるようにします。

──寡婦控除について、死別の場合だけでなく、離婚の場合やいわゆるシングル・マザーにも適用されるように、制度の改善をはかります。税法の改正以前にも、保育料の算定、公営住宅利用の手続きなどで、寡婦と同等の控除を受けられるようにします。

──証券優遇税制の廃止にともない、毎年100万円、最高500万円までの株式投資から得られる配当や譲渡所得を非課税とする「少額投資非課税制度(NISA)」が創設されました。小規模な投資を行う「庶民投資家」への課税を富裕層より軽減するのは必要なことですが、モデルとされたイギリスの個人貯蓄制度(ISA)が預金利子も非課税の対象となっているのと違って、日本の制度は株式投資だけに限定された歪んだものです。対象を狭めない小口投資の非課税枠をつくり、投資先は投資家の判断にゆだねるようにすべきです。

──「住宅は福祉」の観点に立って、家賃に関する税の控除制度の創設をはかります。

──政府は、わが党などの反対を押し切って、いわゆる「マイナンバー法」を成立させて、2016年から本格実施することを計画しています。政府は、当面の適用対象を納税や社会保障関係の手続に限定するとしていますが、金融・証券課税なども含めた税務処理にこのナンバーを活用しようとすれば、利子や配当に関する源泉徴収の実施主体である銀行や証券会社などの民間企業にまで、ナンバーを知らせることになります。家族構成や結婚・離婚歴、病歴など、重要な個人情報が民間企業に流出する危険性が増すことになります。一方、富裕層の場合には、匿名口座などで財産を隠しているわけではなく、資産管理会社をつくって堂々と「合法的な資産逃れ」をしているのですから、いくらナンバーをつけても課税強化にはなりません。庶民への課税強化と社会保障給付の削減を狙いとした「マイナンバー」制度には反対します。

 

中小企業支援税制などを強化します

 この20年間に、中小企業は100万社以上も減少しました。政府の「構造改革」路線で内需が冷え込まされてきたあげくに、大企業の下請けいじめなどで、ただでさえ経営が大変なうえに、消費税の免税点引き下げなどの増税が加わって、「税金が払えず廃業に追い込まれる」という事態も生まれています。このうえ、消費税が増税されれば、中小企業の困難はますます増大します。大企業ばかりを優遇する税制をあらため、中小企業や零細な事業者を支援する税制に転換します。

──法人事業税の外形標準課税を資本金1億円以下の小規模企業にまで拡大することは、赤字企業などに過大な負担を負わせることになるので反対します。

──家族従業者に支払った賃金を「損金」扱いすることを認めていない所得税法56条を廃止して、家族の働き分を経費に認めます。

──法人税にも累進制を導入し、中小企業の一定範囲内の所得については、現行より税率を引き下げます。

──事業用資産については、一定期間の事業の承継を条件に、相続税の減免制度を設けます。

──2011年に民主党政権が「納税者権利憲章」策定を提案しましたが、記帳義務拡大や罰則強化と抱き合わせの提案で、しかも、自民党などとの密室協議を通じて「憲章策定」の条文は削除され、納税者への義務強化だけが残るという最悪の結果となりました。納税者の権利をまもる、本当の「納税者憲章」を確立します。消費税納税にあたっての仕入税額控除否認、機械類への償却資産課税の強化、倒産に追い込む売掛金の差し押さえの乱発、滞納を理由とした住居等の生存権的財産の差し押さえなど、国と地方の過酷な徴税・税務調査をあらためます。

──農業用機械、漁船などの燃料に係る軽油引取税等の免税措置を恒久化します。

──都市計画区域内農地への宅地並み課税の廃止をめざし、当面、生産緑地指定の要件を緩和し、追加指定を広げます。

社会情勢の変化に対応した税制改革をすすめます

──2012年10月から、「地球温暖化対策の課税」として、石油石炭税の上乗せ措置が実施され、2014年4月にも拡充されましたが、不十分なものにとどまっており、さらに拡充をはかります。同時に、原油の国際価格急騰などの際には、課税がなくともエネルギー消費抑制効果が十分にあることを考慮し、税率を柔軟に変動できる制度を検討します。

──金融投機マネーの暴走を抑え、途上国支援の財源を確保するために、国際連帯税の導入を検討します。

──集合住宅の共用部分の固定資産税を軽減します。

──NPO法人の活動を支援するための寄附金税制について一定の改善がはかられてきましたが、まだ十分ではありません。法人税減税の財源としてNPO法人への減税措置を削減しようとする動きがありますが、もってのほかです。認定NPO法人の適用を受けやすくするための改善や、寄附金控除の適用下限額の引下げ、バザーやチャリティー公演などの非課税制度の創設など、いっそうの拡充をはかります。

──芸術・文化団体への寄付税制を充実するとともに、民間劇場や映画館の固定資産税の減免などの支援をすすめます。

──政府は、「プライバシー保護」を口実として、高額納税者や法人企業についての公示制度を廃止してしまいましたが、一定以上の金額については、復活します。とくに大企業については「プライバシー」は理由にならず、公開は当然です。

 

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