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赤旗

2014年 総選挙各分野政策

37、歴史認識・靖国・「慰安婦」

歴史に逆行し、戦後の国際政治の土台を覆す侵略戦争の肯定・美化は許されない

2014年11月


安倍政権が発足して以来、過去の侵略戦争と植民地支配を正当化し、美化する歴史逆行の勢力が、その本性をむき出しにし、大きな国際問題になっています。

 

<靖国参拝にたいするアメリカからの異例の批判>

2013年12月、安倍首相は靖国神社への参拝を強行しました。靖国神社は、戦争中は、国民を戦争に動員する役割をにない、現在も、過去の軍国主義による侵略戦争を"自存自衛の正義のたたかい"、"アジア解放の戦争"と美化し宣伝することを存在意義としている特殊な施設です。また、侵略戦争を引き起こした罪を問われたA級戦犯が"連合軍による一方的な裁判で濡れ衣(ぬれぎぬ)を着せられた犠牲者"として合祀(ごうし)されています。この施設に首相が参拝することは、侵略戦争を美化する立場に自らの身を置くことを、世界に向かって宣言するものにほかなりません。

首相の参拝に対して、中国政府、韓国政府からのきびしい批判はもとより、米国政府も「失望した」との異例の批判を表明しました。さらに批判の声は、国連事務総長、EU、ロシア政府、シンガポール政府など世界中に広がりました。しかし、安倍政権の閣僚による参拝はその後も繰り返され、安倍首相自身も直接参拝こそしないものの、真榊奉納を続けています。

このような行為を続けるなら、日本は世界のどの国からもまともに相手にされない国となるのは避けられません。首相、閣僚が、靖国神社参拝をきっぱりとやめることを、強く求めます。

 

<日本軍「慰安婦」問題と「河野談話」>

安倍首相が、戦後50周年に際し発表された「村山〔首相〕談話」の一番の核心部分――「国策を誤り」、「植民地支配と侵略」をおこなったという部分をかたくなに認めようとしないこととあわせ、日本軍「慰安婦」問題について日本政府の関与と責任を認めた「河野談話」に背を向け、問題の存在さえも認めようとさえしない態度をとっていることに、国際社会からの批判が続いています。

国連の人権条約機関である拷問禁止委員会と社会権規約委員会があいついで日本軍「慰安婦」問題について日本政府の対応を批判し、「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」(国連拷問禁止委員会)とし、日本政府に対して、こうした発言に明確に反論することを求めています。ところが、安倍首相は、「河野談話を継承する」とはいうものの、「慰安婦問題は存在しなかったし、誤って国際社会に発信された」とする維新の党など一部野党や「靖国派」の主張を、批判も否定もしようとしていません。それどころか、「性奴隷というのはいわれなき中傷」(国会答弁)とさえ述べてこれに同調し、あらためて国際社会のひんしゅくを買っています。自民党の総選挙マニフェストでは「虚偽に基づくいわれなき非難にたいしては断固として反論し、・・・日本の名誉と信頼、国益を回復するために行動します」とあくまで、「虚偽」として問題を処理する姿勢もうかがえます。

この首相の政治姿勢の根底には、日本の過去の侵略戦争の正当化をはかるうえで、この問題が大きな障害になっていることを示すものです。

日本軍「慰安婦」問題で、韓国政府が被害者の賠償問題について、日韓請求権協定にもとづく政府間協議を繰り返し日本政府に求めているにもかかわらず、日本政府が「解決ずみ」として協議そのものを拒否していることは、重大です。同協定第3条1項は、協定の解釈や実施に関して紛争がある場合には、「外交上の経路をつうじて解決するものとする」としており、日本政府は、韓国政府との協議に早急かつ誠実に応じるべきものです。

こちらもご覧ください。

○志位和夫「歴史の偽造は許されない―『河野談話』と日本軍『慰安婦』問題の真実に」「しんぶん赤旗」3月15日

「歴史を偽造するものは誰か――「河野談話」否定論と日本軍「慰安婦」問題の核心」「しんぶん赤旗」9月27日

 

<極右勢力とつながる自民党政治家>

この間、安倍内閣と自民党の幹部が「ネオ・ナチ」(新ナチズム)を自任する団体の幹部や、ヘイトスピーチをくり返し、差別をあおる団体の幹部と〝癒着〟していることが明らかになりました。

高市早苗・現総務相、稲田朋美・現自民党政調会長(前行革担当相)らが、2011年にナチス・ドイツの主義主張を信奉する「国家社会主義日本労働者党」の代表とともに、「日の丸」をバックに写真をとっていたことが明らかになりました。高市氏はさらに、ヒトラーをたたえる本に推薦文を寄せていたことも判明しています。

この問題について、元駐日英国大使のヒュー・コータッツィ氏は、「イギリスの閣僚がもしホロコーストを引き起こした犯罪者を支持すると取られかねないような発言をすれば、大衆から抗議が沸き起こって問題の閣僚は辞職させられることだろう」(「ジャパン・タイムズ」2014年10月31日付)と指摘し、次のようにのべています。

「日本政府内で過激論者の影響が明らかに高まった結果、海外における日本のイメージと威信は傷ついている。〔歴史〕修正主義者たちによる虚偽の歴史の宣伝を食い止め、日本の民主的な手続きが反民主的過激論者の個人や団体によって脅かされないようにすることは、非常に日本の国益にかなうものになる」

さらに、山谷えり子・国家公安委員長(拉致問題担当相兼任)が、2009年2月に在特会関西支部長らとならんで写真を撮っていたことが判明。この件が明らかになった後の2014年9月、山谷氏は外国特派員協会で会見をしましたが、本来のテーマが拉致問題であったにもかかわらず、質問の大半が在特会との関係に集中。外国人記者からは、「在特会やその理念を否定するべきでは」などの質問がくりかえされたにもかかわらず、山谷氏は「いろいろな組織についてコメントをするのは適切ではない」などとのべるだけで、追及した記者からは「在特会を一度も正面から否定しなかったことに驚いた。米国なら『大臣と問題団体の関係について疑惑が深まった』と大きく報じられる」との批判があがりました。

自民党幹部や閣僚が極右団体の幹部と写真に納まっていたことは、日本の政治の時代錯誤性を象徴する問題として、欧米各紙で大きく報じられています。

「小渕、松島両氏が大臣をやめたが、二人の辞職とは別に問題がある。山谷氏はヘイトスピーチを繰り返すZAITOKUKAI(在特会)との関係が非難されている」(米紙「ワシントン・ポスト」2014年10月20日電子版)

「山谷氏は在特会との関係、高市、有村両氏は極右的な見解が批判されている。この3人が靖国神社に参拝したことは、日中首脳会談実現に暗雲を落としかねない」(米紙「ニューヨーク・タイムズ」同前)

安倍内閣の閣僚は、首相を含めて19人いますが、そのうち17人は、日本の極右勢力の代表である「日本会議国会議員懇談会」や「神道政治連盟国会議員懇談会」に所属。「次世代の党」の平沼赳夫党首は、これらの「靖国派」の国会議員を結集した超党派の議員連盟「創生『日本』」の存在が、安倍総裁・首相の誕生につながったと、次のようにのべている。

「創生『日本』の全国大会をやると地方議員が随分と来るよ。第2次政権をつくるときは大きな力になったと思う」「事務局長はいま官房副長官をやっている加藤勝信さん。他にも古屋圭司さん、稲田朋美さん、塩崎恭久さんもいた。世耕弘成さんや衛藤晟一さん、山谷えり子さんもね。議員会館の会議室で色々と勉強会をやった。閣僚は一緒にやっていた人が多いなあ」(「日経」電子版2014年11月2日)

安倍政権は、首相を筆頭に〝靖国史観〟を信奉する閣僚で占められていることが明らかであり、そうしたことが、閣僚を含む政権幹部と極右勢力との昵懇の関係として表に出てきているのです。

 

<侵略戦争と植民地支配の歴史を直視し、日本軍「慰安婦」問題などの解決を>

 日本がアジアと世界から信頼され、国際社会で名誉ある地位を占める国になるためには、過去の侵略戦争と植民地支配の誤りをきっぱりと認め、その負の遺産を清算する立場にたつことが不可欠です。

 

 ――首相、閣僚の靖国神社参拝をはじめ、日本政府の責任ある立場の政治家が、侵略戦争を肯定・美化するような行動、言動をとらないことを求めます。靖国神社への参拝はきっぱりと中止すべきです。

 

 ――日本軍「慰安婦」問題では、日本政府として公式に謝罪し、個人補償を行うことが不可欠です。韓国政府は、「慰安婦」被害者の賠償問題について、日韓請求権協定にもとづく政府間協議を繰り返し日本政府に求めています。政府は「解決ずみ」などとして協議を拒否する態度をあらため、「この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする」(同協定3条1項)にもとづき、韓国政府との協議に、早急かつ誠実に対応することが求められています。

 

 ――日本の侵略戦争と植民地支配の歴史を子どもたちに正しく伝え、アジアと世界の国ぐにと平和・友好の交流を積極的におしすすめることが必要です。公教育に侵略戦争の美化・肯定を持ち込むことは許されません。政府や自民党などの教科書検定や教科書出版社への不当な介入、圧力をやめさせるために、日本共産党は、良識ある国民のみなさんとともに力を尽くします。

 

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