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日本共産党

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赤旗

2004年参議院選挙政策より

(4) 人間として大切にされる働き方に

――不安定雇用の拡大に歯止めをかけ、若者にやりがいのある仕事を増やす

 

2004年6月2日


 この5年間に、正社員(正規雇用)が400万人も減少し、派遣、契約、パートなどの不安定雇用が370万人も増えています。多くの大企業が正社員を減らしながら、賃金も低く、労働条件も劣悪なうえに、いつ解雇されるかわからない派遣や契約、パートなどの不安定雇用にきりかえているからです。とくに、不安定雇用は、若者の間にひろがり、5人に1人がフリーターという状態になっています。

 政府が「雇用の構造改革」などといって推進してきたのは、こんな大企業のリストラと、不安定雇用へのきりかえをもっとやりやすくすることでした。その手法は第一に、派遣労働や有期雇用を拡大する労働法制の改悪です。派遣労働より、もっと劣悪な条件の業務請負が急増しているにもかかわらず、何の対策もとらず、監督官庁さえないという状態です。裁量労働制の拡大など、長時間労働をさらに激しくする「規制緩和」もすすめてきました。第二は、リストラをすれば税金をまけてやるという産業再生法や、合併、営業譲渡、分割など会社組織再編を利用したリストラ、賃下げをやりやすくする労働契約承継法の制定などで、大企業経営のリストラを応援することをつうじて“首切り”を推進してきたことです。産業再生法などはきっぱり廃止すべきです。

 もともと日本は、雇用を守るルールが、ヨーロッパ諸国などと比べて弱かったうえに、さらにルールを後退させ続けているのです。

 人間はモノではありません。21世紀をになう若者を「使い捨て」にしたり、過労死さえ生み出すほどの長時間・過密労働が横行する社会や企業に未来はあるでしょうか。

 安定した雇用と人間らしい働き方をまもる労働条件の確保、若者にやりがいのある仕事を増やすために、雇用への企業の社会的責任をきちんと果たさせる雇用政策への転換をすすめます。

異常な長時間労働をなくし、新規雇用を増やす

 長時間労働を是正し、人間らしい働き方を確立することは、日本社会の異常をただすうえでも、新たな雇用創出という面でも重要なカギになっています。リストラで人を減らし、不安定雇用に置き換え、少なくなった正社員にサービス残業と長時間労働を強いる非道なやり方をやめさせます。

 サービス残業は、労働者1人当たりの平均でも年間200時間を超えています。これを新規雇用に振り向ければ、160万人もの雇用創出効果があると推計されています(第一生命経済研究所)。有給休暇も取得率が5割以下にまで下がっていますが、完全に取得できるようになれば、政府の試算でも、150万人の新規雇用創出と12兆円の経済波及効果があります。

派遣やパート、契約などで働く労働者への差別・格差をなくし、「均等待遇」のルールを確立する

 派遣やパートなどの雇用形態によって差別したり、労働条件に格差を持ち込むことは、本来あってはならないことです。「同一労働同一賃金」は、近代社会が確立した大原則です。ところが日本では、正規雇用と非正規雇用の格差は拡大する一方で、フルタイマーとパートタイマーの1時間当たりの賃金格差は49・7%と、ドイツ82・5%、フランス73・0%などからみても異常です。

 EU(ヨーロッパ連合)では、97年にはパート労働者、99年には有期雇用に対して、EUの法律にあたる指令で「均等待遇」のルールをつくり、02年には、「派遣労働者の基本的な労働条件は、派遣先企業により直接雇用された場合に適用されるのと同一の労働条件」などとする「派遣労働者保護指令案」が提出され、採択にむけた議論がすすんでいます。パートや派遣と一般労働者との「均等待遇」をはかることは世界の流れです。

 派遣やパートへの不当な差別や格差をつくり、利用して、非正規雇用への置き換え、若者のフリーター化を加速させるというやり方は許されません。日本の産業や企業の将来にとっても重大な禍根を残します。

 日本共産党は、昨年、「パート・有期労働者均等待遇法案」を国会に提出し、「賃金、休暇、教育訓練、福利厚生、解雇、退職その他の労働条件」を、パートや有期雇用(契約社員)の労働者と一般の労働者を「差別的取扱いをしてはならない」ことなど均等待遇を保障することを提案しました。派遣労働者にも、均等待遇の義務づけと、派遣先企業での正規雇用への道を広げます。法律違反や不当な賃金のピンはねが横行している業務請負を厳しく監督するとともに、この分野にも「均等待遇」を徹底します。

若者の雇用拡大のための特別な予算と対策を

 日本共産党は、これまでも若者の雇用拡大の政策を発表してきましたが、とくに、政府として、大企業に若者を正社員として採用することを強く求めるとともに、福祉、医療、防災、教育など国民のくらしに必要な分野での人手不足を解消する、若者への職業訓練の機会を大きく増やすなどの対策を強めるよう求めます。そのためにも、フランスの40分の1、OECD諸国平均の10分の1(GDP比)というように、圧倒的に少ない日本の若者雇用対策予算を抜本的に増やします。

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