日本共産党

教育再生会議第二次報告について(談話)

2007年6月1日 日本共産党国会議員団・文教科学部会長 石井郁子


 本日、安倍首相直属の諮問機関である教育再生会議が第二次報告を公表しました。

一、報告が「徳育の教科化」をうちだしたことは重大です。これは結局、国が検定する教科書などで特定の価値観を子どもに権力的に押しつけようというものであり、憲法が保障する「思想、良心の自由」に真っ向から反します。しかも、安倍政権が押しつけようとしているものは、この間の「靖国DVD」問題で明らかなように、「日本の戦争はアジア解放のためだった」などのきわめて特異な価値観です。戦前型の教育の復活ともいうべき「徳育の教科化」につよく反対します。市民道徳の教育は、憲法にもとづき、基本的人権の尊重を中心にすえ、自主的にすすめるべきです。

一、わが国の教育予算の水準は、OECD(経済協力開発機構)30ヶ国中最下位です。ところが、報告は「教育予算は、効率化を徹底」するとして、教育予算の引き上げに背をむけ、差別的な配分をすすめようとしていることは許されません。

一、報告は「授業時数の10パーセント増」をいいますが、授業時数をふやせば学力が向上する科学的根拠はありません。それは、T学力世界一Uのフィンランドの授業時数が現在のわが国より短いことからも明らかです。学力保障に一番有効な施策が少人数学級であることは周知の事実であり、そうした施策こそすすめるべきです。

一、報告は「教員評価をふまえたメリハリのある教員給与」をうちだしました。しかし、上からの評価によって給与を上げ下げすることは、教員の目を子どもでなく、行政や管理職にむけさせ、教員への権力統制をつよめるものです。

一、報告は大学問題に言及しましたが、世界できわだって高い授業料や貧弱な勉学・研究条件の元凶となっている、極端に低い大学予算の問題にはふれませんでした。その一方で、競争原理の徹底と再編統合をうちだしたことは、大学の健全な発展の基盤をほりくずすものです。

一、教育再生会議は、委員に教育研究者を加えず、会議はマスコミ非公開という、他の審議会では考えられない運営がつづいています。こうした会議が、安倍首相の戦前回帰的な発想や財界の競争至上主義の考えにそって、「教育再生」を考案しても、教育がよくなるどころか、現場を混乱させるだけです。憲法と教育の条理に立脚して、ひろく国民の英知をあつめ、教育を抜本的に改革する方向に転換するべきです。

以上 


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