「被災者生活再建支援法」一部改正案大綱

 2001年1月16日 日本共産党

 日本共産党が16日発表した「国の責任で、被災者の生活再建最優先の支援を 日本共産党のくらし復興支援立法提案」のうち、「被災者生活再建支援法」一部改正案大綱は次の通りです。


一、当面の生活維持だけでなく、住宅をふくめた生活基盤の回復に対する支援を、国の責任でおこなうものとすること。

 (目的) 自然災害によりその生活の基盤に著しい被害を受けた者に対し、当面の生活の維持と生活の基盤となっている住宅や事業所の回復等に係る国の支援措置を定めるとともに被災者の負担を軽減することにより、被災者の自立を支援することを目的とする。

二、支援の対象は、災害の種類や規模、収入の多寡などの条件を設けずに原則としてすべての被災者とすること。

(1) 災害救助法適用の有無や地方自治体ごとの住家被害の基準は廃止し、「暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害」すべてを適用対象とする。また、自治体が異なっても同一の災害による被害については同じ支援をおこなうものとする。

(2) 「被災世帯」は、「政令で定める」を削除するとともに、支援対象を、「前項に掲げる自然災害により住居(持家、借家の別は問わない。以下同じ)に被害を受けた世帯ならびに当該災害により事業所等に被害を受けた中小業者(自営業者ならびに小規模法人をいい、当該被災地域の実情に即して判断するものとする。以下「被災世帯等」という)」とする。

三、支援金の額は、生活再建と住宅再建をあわせて一千万円を上限とする。

 (1) 支援は次に掲げる措置を講じることによりおこなう。

  1. 「生活等再建支援金」の支給
     被災世帯等に係る住居または事業所が全壊、半壊または一部損壊もしくは床上浸水により生活や営業の基盤あるいは家財・家具や設備・商品等に被害を受け、または噴火等により長期の避難を余儀なくされた場合、もしくは災害によりやむを得ず休業するに至った場合、その被害の程度と世帯員数等に応じて上限五百万円を支給する。
  2. 「住宅等再建支援金」の支給
     住居または中小業者の事業に係る事業所(以下「住宅等」という)が、全壊、半壊、一部損壊、または床上浸水等の被害を受けた場合、最低限の生活基盤である住居等を確保するため、住居等の再建ならびに補修、および借家への入居等に要する経費として、上限五百万円を支給する。
  3. 「生活維持資金」の貸付
     避難生活が長期にわたる場合(災害救助法にもとづく避難所の設置期限に係る一般基準七日を超える場合等)、生活等を維持するための資金として、最高百万円を限度に、無利子、無担保で、かつ保証人は要せずに貸し付ける。なお、前記支援金の支給を受けた場合は、同支援金の支給額は貸付金の額を差し引いた額とする。
  4. 既存ローンの負担軽減措置
     住宅建築や事業用の目的による災害発生前の債務(以下「既存ローン」という)については、被災の事実が発生した時点で返済猶予の措置をとるとともに、当該災害により生活、事業の基盤が回復するまで(五年を限度とする。ただし、基盤回復の状況により延長することができるものとする)その償還を一時据え置くものとし、据置期間中の利子に相当する経費については国の負担とする。
  5. 再建資金の貸付
    1. 住宅再建資金
       既存ローンの借り換え分を含め貸付限度額を三千万円とし、据置期間十年(無利子)、償還期間は三十年(据置期間を含む)とする。貸付利子は、災害による生活基盤の回復のための資金であることに鑑み、極めて低い金利とする。
    2. 中小企業経営再建資金
       既存ローンの借り換え分を含め貸付限度額を二億円とし、据置期間五年(無利子)、償還期間は三十年(据置期間を含む)とする。貸付利子は、災害による経営再建のための資金であることに鑑み、極めて低い金利とする。この場合、中小業者に対しては、特別の配慮をするものとする。

 (2) 支援金の使途

     生活等再建支援金の使途については、家具・家財等の買い替えを含め、限定しない。住宅等再建支援金については、補修、再建、借家もしくは移転による再建によるかは支給を受けた当該被災者の選択によるものとする。

四、実施主体と財源負担   

 (1) 実施主体は、当該災害により公的支援の対象となる被災者が居住する市町村とし、当該市町村は、当該被災者の申請により公的支援の種類ごとに公的支援を実施するものとする。

 (2) 支援金支給に必要な経費は全額国庫負担とする。

 (3) 地方自治体が、地域の実情を参酌し、被災者の生活基盤回復および地域経済復興にとって中小企業等の営業基盤の維持・回復が必要と判断し実施する上乗せ措置等については、国は財政上の措置を含め、これを支援するものとする。

五、阪神・淡路大震災をはじめ、この間の災害被災者に対する特別の支援措置を講じるものとすること。

 附則で、国の責任で被災者の実態に見合った特別な支援措置をおこなうことを明記する。

六、その他         

 (1)「災害救助法」の改正 (1)救助の対象について、「政令で定める程度の災害が発生した市町村」のみならず、被災市町村長の要請によっても適用できるようにする(2)屋根や一定の宅地内の降灰・流入土砂や浸水家屋の家財・畳などの除去についても救助の種類に加える(3)「救助の程度、方法および期間」の特別基準等に係る厚生労働大臣の承認を改め、当該被災市町村長の要請にもとづき都道府県知事が必要に応じて基準を変更できることとし、変更した場合は厚生労働大臣に報告するものとする(4)救助に要した経費に係る国の負担割合を、一律九割とするものとする。

 (2)「災害弔慰金の支給等に関する法律」の改正 (1)災害弔慰金の支給対象を兄弟姉妹にまで拡大する。(2)災害援護資金について、貸付利率を〇パーセントとするとともに、償還期間については生活再建の状況を斟酌し延長ができることとする。

 (3) 関係法律の柔軟な運用 被災者支援に資する関係法律の運用については、被災者の早期自立を支援するため、本法の趣旨に準じて被災地と被災者の実態に即した柔軟な運用を図るものとする。この趣旨にもとづき、災害救助法にもとづく救助の実施については、都道府県知事の判断による現金給付を積極的に実施するとともに、民間借家等の活用や個人宅地への仮設住宅建設をはじめ住宅の応急修理などについても柔軟かつ積極的におこなうことにより全面的運用を図ること。

 また、災害弔慰金等支給法に関し、災害援護資金貸付の際の保証人要件や延滞利息について実態に即して大幅に緩和すること――等について早急な改善をはかる。


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