【中学生・高校生のみなさんへ】 自分たちの校則・ルールは、自分たちで決められる――東京都議会議員・池川友一

2021年4月15日

 この春、新たに進学や進級されたみなさん、おめでとうございます。新生活が始まってどうでしょうか?コロナ禍の中で、困っていることはありませんか?

 僕は、東京都議会議員をしている池川友一といいます。36歳で、子どもが4人います。一番上の子が小学校4年生です。

 都議会では、子どもの権利の視点から、学校の校則問題などにとりくんできました。「なぜツーブロックはダメなのか」と質問した人といえば、「あぁ、知ってる」という方もいるかもしれません。

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■「地毛証明書」をやめた自治体もあります

 新入生の中には、元々髪の色が明るかったり、パーマがかかっている人もいるでしょう。頭髪指導のある学校だと、「地毛証明書(地毛届)」を出してくださいと言われることもあるかもしれません。

 黒髪ストレートの人は証明しないのに、そうでない人だけが証明するというのは「人権に関すること」として、愛知県や佐賀県などでは生徒に「地毛証明書」の提出を求めることをやめました。東京都でも、出さなくても不利益はないことが明確になりました。

 もし、何か困った時はなんでも相談してください。あなたの味方になってくれる大人はたくさんいます。

 

■学校のルール「なぜ?」というものありませんか?

 中学校、高校になると小学校の時とは違い、学校のルール(校則)が細かく決められていることがあります。「ツーブロック禁止」「地毛証明書の提出」「スカート長さ」「男女別の制服」などなど。納得のいく校則もあれば、「なんで?」と思うものもあるはずです。僕のところには、「なぜ?」と聞いても、「とにかくルールだから」と説明してくれなかったという話がたくさん寄せられています。

 

■そのルール、本当に当たり前ですか?

 僕は、小中高は公立学校でしたが、一度も制服(標準服)はありませんでした。この話をすると「中学生になると標準服を着るものだと思っていた」という答えが返ってきます。ほとんどの中学校は、標準服ですから、当たり前といえば当たり前の反応です。

 でも僕は、制服(標準服)がなくてよかったと思っています。一方で、「制服の方が楽」「制服を着てみたい」という人の気持ちもよくわかります。ここで言いたいのは、「当たり前」と思っていることは、違うかもしれないということです。

 学校のルール(校則)は、最終的には校長先生が決めています。校長先生が変わったら、学校のルールが“突然”変わるということも起こります。自由になることもあれば、これまで自由だったことが禁止されることもあります。

 でも、本当はみなさん(児童・生徒)の意見が反映されて、学校のルールは決まることが大切だと思います。保護者の人や学校の先生の意見も聞いて、みなさん自身が自分たちの学校のルールを決めていくことができれば、あらかじめ決められたルールを守るということではなく、もっと主体的になれると思うのです。

 

■子どものことは、子どもの声を聞いて決める

 これは、僕の思いつきではありません。子どもの権利条約という国際条約があります。条約の第12条には、意見を表す権利(意見表明権)があり、「子どもは、自分に関係のあることについて自由に自分の意見を表す権利をもっています。その意見は、子どもの発達に応じて、じゅうぶん考慮されなければなりません」(日本ユニセフ協会抄訳)と書いてあります。つまり、学校のルールについても、みなさんの意見を聞いて、考慮することになっているのです。日本の中でも、きちんと条約を守る必要があります。

 都議会で、「子どもは権利の主体ですね」と質問したら「子どもは、あらゆる場面で権利の主体として尊重される必要があり…その意見を尊重するとともに、子どもの最善の利益を実現することは、学校教育においても同様に重要」と教育委員会の責任者の人が答えました。これはとても大切なことです。

 

 また、僕が都議会で質問したことをきっかけに東京都教育委員会は「問題行動に対する指導を含め、全ての教育活動は、生徒の人権の尊重を基本として行うこと」という「通知」を出しました。「人権」というのは、生きるため、幸せになるためのものです。憲法にも定められています。

 憲法も表現の自由は保障され、人種、信条、性別、社会的身分などによって差別されることなく、個人として尊重されるのです。「人権」を制約していい場合は、極めて限定的でなければならないと、僕は思います。

 

■理不尽なことは変えていくことができる

 「なぜツーブロックはダメなのか」という僕の質問の動画を見て、生徒たちが声をあげて、ツーブロック禁止の校則をなくした学校もあります。理不尽な(おかしな)ルールは、変えていくことができるのです。

 本来、学校は理不尽なことに慣れさせるのではなく、理不尽なことは変えていくことができるということを、学ぶ場であってほしいと思います。

 いま、全国津々浦々で、「下着の色指定」など人権を侵害したり、説明が困難な理不尽な校則の見直しが急速に広がっています。

 僕は、子ども・若者とともに“いま”と未来をつくるために、みなさんとともに声を上げていきたいと思います。そして、みなさんが国政や都政に直接参加し、「子ども・若者に関わることは、自分たちが決める」という仕組みをつくっていきたいと思います。

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