日本共産党

2004年10月11日(月)「しんぶん赤旗」

列島だより

きょう体育の日

地域のつながりできた 健康維持して生き生き
スポーツするのは私


 きょうは体育の日。地域に根ざしたスポーツ活動をすすめている宮城県古川市のソフトボールチームと神奈川県の健康トレーニング教室を紹介します。

宮城・古川/ソフトボール

 第二十五回全国スポーツ祭典(主催・新日本スポーツ連盟)が宮城県を主会場に開かれています。ソフトボール大会(十六、十七日)会場の古川市では、地域チームの活動がスポーツを通じたコミュニティーづくりの力になっています。

24年こつこつ

 「なかなか勝てないけど、和気あいあい楽しくやっている」と話すのは、電器店を営む鈴木誠さん(52)。約二十人からなる地元のソフトボールチーム・諏訪西チームの代表です。創立二十四年、勝負や技能の向上だけでなく、仲間同士の親ぼくを大切にしています。

 地域では、近年新しく住宅を建てて転入してくる住民が増えています。何もしなければ「隣に家が建っても誰かわからない。ただ帰って寝るだけのところになってしまう」状況です。しかし、この地域では盆踊りや運動会など、町内会の活発な活動が人々のつながりをつくっています。

 チームは町内会の活動を支える力になっています。町内会運営の中心を担い、行事の準備でも頼りにされています。ソフトボールも近隣の人びとが解け合うきっかけになっています。

 不況のもと、働き盛りの男性が多いチームの運営は簡単ではありません。市内にあった営業所の閉鎖で通勤先が仙台市に変わり、疲れて参加しづらくなるメンバーもいます。練習や試合への参加をよびかけ、地域の若い人に入会を誘う鈴木さんたちの努力がチームの活動を支えています。

新興住宅地で

 隣の新興住宅地・石名坂(いしなざか)地域でも、ソフトボールチームの結成が交流の力になっています。同地域は数年前まで二十世帯ほどでしたが、今では百世帯を超え、若い世代も増えました。スポーツで地域の交流をという声が上がり、「ソフトなら四十―五十代も参加できるのでは」と始めました。

 監督の佐々木強さん(49)は「試合後の反省会では、奥さんや子どもたちも一緒に楽しく飲んだり食べたりします。新しく来た人たちとも交流できて、大変幸せです」と話します。

 今回の大会が古川市で開かれることになったのは、こうした活動が背景にあります。後援する市も「祭典のお手伝いに」と、河川敷のグラウンドを整地しました。

災害のときに

 日本共産党の小沢和悦市議は諏訪西チームの監督です。地元でソフトボール大会を二十年以上にわたり主催するなど、地域のスポーツ振興に力を注いできました。

 スポーツは健康促進やストレス解消とともに、人々の輪づくりにとって大切という小沢市議。「宮城県では大型地震の発生が予測されており、災害時には隣近所の助け合いがとても大事です。スポーツを通じた共同社会づくりを目指しています」と話しています。

東北総局・細川豊史記者

神奈川/トレーニング教室
新日本スポーツ連盟県理事長石川正士さんに聞く

 新日本スポーツ連盟神奈川県連盟はことし三月から毎月一回、「健康トレーニング教室」を開き、これを軸に健康スポーツクラブ育成に踏み出しました。教室で指導している理事長の石川正士さん(66)に聞きました。

 住民のスポーツにたいする要求は多様化しています。オリンピックのように感動を得られるもの、健康のために行うもの―などさまざまです。

 子どもの発育、発達のゆがみ、おとなの生活習慣病(成人病)の増加、慢性的な運動不足などの問題を直視し、なんらかの健康法をとらなければと思っている人が増えています。健康のためのスポーツへの関心が強くなっているんです。

 私は前々から地域で住民の健康要求をとりあげた教室を開いたり、クラブ育成の活動をめざし少しずつつづけてきましたが、仕事(高校教諭)で思うようにできませんでした。昨年、定年退職して、構想をねりました。

 県連盟(スポーツ連盟)で考え合い「健康トレーニング教室」を定期的に開こうということになったんです。地域や団体で教室を開けるよう指導員を?出前?(派遣)できるようにもしました。指導員は大学の先生や健康スポーツクラブなどで活動している人で構成しました。

 からだは「適度に使う・運動すると発達するが、使わなければ退化し、使いすぎると障害をおこす」。この基本原則に基づきトレーニングをすることの大切さを理解してもらうよう『考えて、動いて、健康トレーニング』と題する講義のテキストをつくりました。からだとトレーニングについての学習が重要ですからね。

 ストレッチをするときには、指導員が、この筋肉、この関節を動かすためにどうするかをていねいに説明し、動作をしながら「ここをこのように動かすんですよ」と一人ひとりに声をかけるようにもしました。

 最初、動かせなかったところが少しずつ動かせるようになったり、バランスよくからだを動かせるようになることで、喜ぶ人が多いようです。

 公共施設が少なくて思うように「健康トレーニング教室」が開けないなど困難な面もあります。みんなで工夫、努力して活動の場をつくっていかなければと思います。

 教室で学んだ人たちが、次はまわりの人たちの健康要求にこたえるために活動するようになってきています。この人たちを中心に神奈川県内各地で地域に根ざした健康スポーツクラブをつくりたいですね。

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