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長野・坂北村青柳・民主村政誕生から5年「協働」の力で村に活気 |
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青柳修三村長
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四方を山に囲まれた長野県坂北村。長野市と松本市の中間に位置しています。北アルプスが一望でき、「差切峡」の景観など自然に恵まれています。この村に日本共産党員の青柳修三村長が誕生して五年。昨年五月に二期目に入りました。「若い世代が村に定住できる地域づくりを進めたい」「子育て支援や住環境整備などに、さらに力を尽くしたい」などと抱負を語る二期目の青柳村長のもと、村と村民の「協働」の力で「ふるさと」づくりが進んでいます。 長野県・原広美記者
道の駅「さかきた」に隣接する食堂「もえぎ亭」。地粉に青大豆の豆乳を加えた、手づくりの「もえぎうどん」が好評です。食堂隣の「やさいBOX」では、地元の野菜や山菜、村の加工所で生産した青大豆を原料にした「もえぎ豆腐」や「乾燥竹の子」などの特産物も売られています。
友人から話を聞いて、長野市から「もえぎ亭」に初めてきた井口きみ子さん(49)は、「うどんは、歯ごたえとのど越しがいい。豆腐も本当に豆腐らしい豆腐で、そのまま食べると甘みがあっておいしかった。隣で坂北産の野菜を売っていたからのぞいてみたの。いろいろありますね」。「やさいBOX」の副会長、増田徹子さん(60)は「地元の農産物や、山菜なども販売しています。遠くからわざわざ買いに来てくれるお客さんもいて、うれしいね。やりがいがあるよ」と目を細めます。
村も「やさいBOX」の会員になっています。青大豆生産を伸ばすため、村が一?当たり二百円を価格保障し四百円で購入。大豆脱穀機やこうじ発酵機も村が購入し、農家の生産と加工を支えています。
米作減反政策などの影響で、最近、目立つようになった農地の荒廃化をくいとめるため、村や農業委員会は、松本ハイランド農協と、何度も協議を重ね「まず、できることから始めよう」と農業作業ヘルパー組合をつくり、登録した組合員による水田やあぜ道の草刈りも始まりました。
さらに、ハウスサービス組合も立ち上げて、ハウス栽培のホウレンソウなど小物野菜の生産も開始しました。
十二歳以下の子どものいる子育て世代を優先入居させて若者の定住をはかる目的の村営住宅「夢パレット・坂北」。3LDKで家賃は月四万円。設計に、若い村職員の提案も取り入れました。
豊科町から越して来た長崎美穂子さん(38)は、「オール電化で子どもが料理しても安心。小学校転入が心配でしたが、先生も親切で、伸び伸びと明るくなった。地域の人も親切で、来てよかった」と語ります。「カウンター越しにリビングを見渡せるキッチンで、子どもに目がとどく」と語る男性(28)もいました。
完成した二棟(二十四戸)の住宅は子育て中の若い世帯でいっぱい。駐車場も二台分あるきめこまかさです。新年度、もう一棟、建設が予定されています。近隣の村が若者の流出と人口減が進む中、坂北村は昨年度、人口増に転じました。
子育て支援にも力をいれています。青柳村長が初当選後の初仕事は、延長保育やゼロ歳児保育の実施。その後、保育園改築を進めて保育の充実をはかりました。乳幼児医療費も七歳未満まで無料にしました。
小学校はグラウンドを整備し、トイレを水洗化。共働きの父母たちからの強い要望にも応えて、坂北小学校体育館に隣接した小部屋を改修して、放課後対策事業=学童保育のための児童クラブも開設しています。
自主的なグループや組合がたがいに、横の関係を持ちながら活動している坂北村。青柳村長は語ります。
「一生懸命に頑張っている村民の姿を見て、本当に頭が下がる思いだ。行政もいっしょになって、協力し合ってこそ、村の発展がある。頑張っているグループから私も多くのことを学ばせてもらっている。支援は補助金だけじゃなく、いろいろな方法がある。『三位一体の改革』など国の地方いじめの悪政のもと、政治の矛盾がいっぱいでてきているが、これを乗り越える力が村と村民との『協働』だと思う」
農業改良普及所の講座で学んだ女性たちが、農村の活性化をめざし、始めた野菜の直販グループ。国道沿いの村有地にテント張りで営業を始めてから、今年の夏で満十周年を迎える。特産の「もえぎ豆腐」は、村の農産加工施設で試行錯誤しながら商品化したもので、信州味のコンクールで奨励賞を受賞。
(2004年4月25日「しんぶん赤旗」より)
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