森首相の「神の国」釈明会見について

不破委員長の記者会見

(大要)

2000年5月27日「しんぶん赤旗」


 日本共産党の不破哲三委員長が二十六日夕、森首相の「神の国」発言をめぐる釈明会見を受けて行った記者会見の発言大要はつぎのとおりです。


 いま、森首相の記者会見を聞いたけれども、全体として問題をすりかえた大変無責任な弁明だ。

「神の国」の言明を宗教論でごまかすことは許されない

 森首相の言明は、教育論でも宗教論でもない。日本の国はどんな国なのかということについて、森首相自身の政治的見解を述べ、それを国民の皆さんにしっかりと承知してもらう、これが私の立場だということを述べたものだ。

 その前には、「昭和の日」の制定問題、天皇の十年、五十年、六十年という在位の問題などを正面に押し出し、同じ文章の中で、「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国であるぞということを国民の皆さんにしっかりと承知をしていただく」といったのだから、その主題は教育論でも宗教論でもない、まさに「日本の国」論だった。鹿霈$!#

 さきほど記者の方が、教育勅語の排除についての国会決議(一九四八年)を引いたけれども、この決議が「排除」の理由としてあげたのは、まさに「主権在君並びに神話的国体観」にもとづいており、そのために「基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残す」という問題だった。森首相の言明は、排除された戦前の国体論の骨組みとなる点、一番肝心なバックボーン(背骨)を述べたものだ。鹿霈H$7$?$i!"?9$5$s$O!"@oA0$NF|K¥$,$^$5$K!VE79D$rCf?4$H$9$k?@$N9q!W$H$5$l$?;‾Be$H!"$=$NBN@)$,:,K¥E*$KJQ$o$C$?@o8e$N:#$N;‾Be$H$N0c$$$,J,$+$C$F$$$J$$@/<#2H$@$H$$$&$3$H$r!"<+J,$G0l@87|L?$$$C$F$$$k$K$9$.$J$$$H$$$&$3$H$K$J$k!#$3$NH/8@$rE12s$b$;$:4V0c$C$F$$$J$$$H$9$k?9

宗教論でも教育論でも許されない数々の発言

 追加的にいうと、自分の発言の重みということについてまったく理解していないことだ。その軽さというのは、あのあと、ペーパーの「紙」と宗教上の「神」とをいっしょにしただじゃれで、笑いをとったことが何回かある。信仰をだじゃれの対象にするようなことは、本当に宗教を大事にする人だったら、できないはずだ。「神の国」発言という、世界でも大問題になり、アメリカの新聞にまで、「第二次世界大戦の亡霊よみがえる」ということを書かせるような重大発言をしておきながら、それを今度はだじゃれでごまかすというのは、首相たるべき人物であるかどうかの資質を、まさに連続して問われていると思う。鹿霈"$"$NH/8@$O;d;v$@$C$?$H$$$C$?!#8xMQ

 また、当日のプログラムでも「内閣総理大臣森喜朗」という名前だったし、今日私が見たあの会の綿貫会長の談話なるものも「記念祝賀会における森総理の発言について」と書いていた。「私人森喜朗」がものをいったとは、当事者をふくめだれも扱っていない。そういうその場その場の言い抜けをするというのも、首相失格の罪を重ねたものだ。鹿霈b$N$@!W$H$$$&$3$H$r2?$G3X9;$G65$($J$$$N$+!"$H$$$&$3$H$r$/$j$+$($7$$$C$F$$$k!#$3$l$O=!65650i$KF'$_9‾$`$b$N$@!#L?$NBg@Z$5$O!"?@MM$NOC$H$OJL$K!";TL1

 教育勅語について、きょうも全部結構といっているわけじゃないとかいろいろ弁解していたが、森首相が教育勅語のことをいうときには必ず戦前戦後のバックボーンという言葉が出てくる。つまり勅語のなかの個々の徳目の話ではない。バックボーンとしてああいう教育がほしいという思いがすごくある。「天皇を中心とした神の国」というバックボーンを国民にしっかり植え付けたいという願望と、それから教育にたいしては、それをバックボーンにした教育勅語をもちこみたいという思いとは、おそらく共通しているのだろう。そういうことを語るときでも、首相になった立場でどこまでいってよいのか悪いのかのけじめをまったく意識していない。鹿霈

 森政権がこの問題をいまのような形でごまかしたまま、選挙に進むというのなら、その審判は森首相に下されるだけでなく、政権党全体に国民が下すものとなるだろう。

 いま、審判を下すべき材料はたくさんあるが、そのなかで一つの重要な問題点――政権党全体にたいする審判の重要問題の一つとして扱ってゆくつもりだ。


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