■第五章 党建設を本格的な前進の軌道に

◆(15)いま党建設にとりくむ意義を三つの角度からつかむ

 (1) 前大会以降、全党は、どんな激動のもとでも、主導的に情勢をきりひらく実力をもった、質量とも強大な党をつくるために、大きな努力をかさねてきた。

 前大会は、目前に迫っていた二〇〇四年参議院選挙での目標達成にむけ、二〇〇三年総選挙時比130%の読者拡大にとりくむ運動をよびかけた。このよびかけにこたえて、全国各地で新しい創造的なとりくみが展開され、党大会から参議院選挙にむけて全党的に約八万人の読者をふやしたことは、重要な意義をもつとりくみとなった。

 二〇〇五年四月の三中総は、二〇〇六年一月の党大会にむけた「党勢拡大の大運動」をよびかけ、二〇〇七年に想定される一連の全国選挙を、「五〇万の党員」「二〇〇三年総選挙時比三割増の日刊紙と日曜版の読者」でたたかうことをめざして、党大会までに三目標のそれぞれの半分以上をやりとげることを、提起した。

 「大運動」のとりくみで、党員拡大では、愛知県一宮尾北地区がみずからきめた「五〇万の党」の目標を達成したのをはじめ、徳島県と五地区が「大運動」目標をやりとげ、全党的には前大会時をうわまわり、四十万四千人をこえた。読者拡大では、香川、奈良の二県と五十二地区が前大会現勢をこえて大会をむかえたが、全党的には「大運動」の出発点をこえることができなかった。

 前大会以降、全国でとりくまれている党建設の運動のなかで、たくさんの豊富な教訓にみちたすすんだ経験も生まれている。しかし、それはまだ党の一部にとどまり、私たちのとりくみは、党勢を本格的な安定的前進の軌道にのせることには、まだ全体として成功しているとはいえない。

 今大会期の党勢拡大の目標は、いっせい地方選挙がおこなわれる二〇〇七年四月までに「五〇万の党」「二〇〇三年総選挙時比三割増の日刊紙と日曜版の読者」を達成するというこれまでの目標を堅持して、その実現にいどむ。

 二〇〇六年という年を展望すると、全国的な政治戦は予定されておらず、党の実力をつける仕事に、全党が本腰を入れ、力を集中してとりくむ条件のある年となる。この年を党建設の前進の大きな波をつくる歴史的画期の年とするために、中央と全国の党組織が心を一つに、知恵と力をつくそう。

 (2) 新しい綱領は、党建設の意義について、「日本共産党が、高い政治的、理論的な力量と、労働者をはじめ国民諸階層と広く深く結びついた強大な組織力をもって発展することは、統一戦線の発展のための決定的な条件となる」とのべている。

 この提起をふまえ、いま党建設にとりくむ意義を、つぎの三つの角度からつかむことが大切である。

 第一に、いま強く大きな党をつくることは、わが党の前途にとって重要であるだけでなく、日本の進路と国民の利益にかかわる意義をもつものである。

 とくに、今後の数年間を展望して、国政の最大争点となる憲法改定問題は、日本の国のあり方の根本、アジアと世界の情勢にかかわる、戦後最大の歴史的たたかいになる。またいま計画されている庶民大増税は、戦後税制のあり方の根本を破壊する空前の規模と内容をもつものであり、これにたいしても日本列島騒然となるような国民的反撃をもってこたえる必要がある。

 いま強大な党をつくることは、平和と暮らしを破壊する反動的暴走を許さない国民的たたかいのたしかなよりどころをつくる仕事である。

 第二に、二〇〇七年の二つの全国選挙でわが党が前進をかちとる最大の保障は、党勢拡大の本格的前進にある。

 どんなに政治論戦が正確であっても、それだけで選挙戦は勝てるものではない。選挙戦をたたかう客観的条件がどのようなものになるかは、私たちの願望だけで決まるものでなく、さまざまな逆風も吹けば、波乱もある。どんな難しい条件のもとでも、党の前進をかちとるためには、自らの力で「風」をおこすことが必要であり、そのためには党の実力がたりない。党の実力をつける仕事に執念をもってとりくまなければ、選挙戦で本格的な前進をかちとる大道は開けない。これらはこの間の数回にわたる国政選挙から全党がつかみとった最大の教訓だった。

 今度こそこの教訓を生かし、「五〇万」「三割増」の目標をやりきって二つの全国選挙をたたかい、どんな条件の選挙になっても、自らの力で勝利をかちとろうではないか。

 第三に、党の歴史には、党建設が決定的な意義をもつ特別の時期があるが、いまがその時期だということである。

 戦後の党の歴史をふりかえってみると、一九五八年の第七回党大会で「五〇年問題」を解決し、一九六一年の第八回党大会で綱領を確定して以後の党建設の前進は、歴史的意義をもつものとなった。一九五八年から一九七〇年までの十二年間に、党員は三万六千人から三十万人に、「赤旗」読者は四万七千人から百八十万人にという大発展をとげ、これが七〇年代の政治的躍進をきりひらく巨大な力となった。

 二一世紀の新しい情勢のもとで、新しい綱領を手にしたいま、この綱領を全党が学び、国民的規模で語り広げることができれば、日本の民主的改革をすすめる統一戦線に多数者を結集する大きな展望を開くことができる。一九六〇年代のとりくみに匹敵する党建設の大きな発展をかちとる意気込みで、いまこそこの課題に挑戦しよう。いまある党支部・党組織を強めるとともに、党支部がない職場・地域・学園に党支部をつくる活動に開拓者の精神でとりくもう。

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