◆(4)極端な大企業中心主義の異常をただす、経済的民主主義の改革

(続き)

 少子化がすすみ、日本社会の基盤をゆるがす重大問題となっている。長期にわたって少子化傾向がつづいている根本には、不安定雇用の広がりと異常な長時間労働、賃金の抑制、増税にくわえ出産・育児・教育などの経済的負担の増大、子育ての社会的環境の悪化など、大企業中心主義の政治がつくりだした社会のゆがみがある。

 欧州で、落ち込んだ出生率を引き上げることに成功している国では、雇用政策、経済的負担の軽減など家族政策、男女平等政策など、総合的な視点から、社会のあり方を変える位置づけでのとりくみがおこなわれている。

 ところが、日本政府は、口先では、十年以上前から「少子化対策」をとなえてきたが、現実にやってきたことは、「労働法制の規制緩和」による働くルールの破壊、子育て世代への増税や負担増、保育料の値上げや保育サービスの後退など、子育てへの障害をつくりだす政治だった。少子化問題を増税や社会保障切り捨ての脅しの口実につかうことには熱心だが、本腰を入れたまともな対策は何一つない。ここでも、自民党政治は、日本の社会の将来にたいする責任を放棄してしまっている。

 「構造改革」が、日本の社会をどれだけゆがんだものにしてきたか。いまその全面的な告発が必要である。それは、人間がともに支えあう社会のありようを否定し、弱肉強食の寒々とした社会をつくりだしつつある。日本社会と経済の将来にむけての持続的な発展を不可能にするところまで、深い矛盾を蓄積している。

 (2) 日本共産党は、人間らしい暮らしの基盤を破壊する攻撃にたいして、社会的反撃をもってこたえるたたかいの先頭にたって奮闘する。とりわけ、庶民大増税に反対するたたかい、社会保障切り捨てを許さないたたかい、人間らしい雇用をもとめるたたかいは、直面する熱い焦点である。

 新しい綱領に明記された「経済的民主主義の分野」での六つの改革――「『ルールある経済社会』をつくる」、「大企業にたいする民主的規制を主な手段として、その横暴な経済支配をおさえる」、「大企業・大資産家優遇の税制をあらため、負担能力に応じた負担という原則にたった税制と社会保障制度の確立」などは、今日の日本経済と国民生活の危機を打開する道を全面的にしめすものである。綱領は、少子化問題についても、「日本社会として、少子化傾向の克服に力をそそぐ」と、この課題を日本社会の最重要課題の一つとしてとりくむべきことを明記している。

 日本共産党は、新しい綱領のしめす経済の民主的改革の立場にたって、国民生活の擁護と、日本経済の健全な発展のために奮闘する。

 (3) わが党の経済的民主主義の路線への広い国民の支持と共感をえるためには、つぎの諸点に留意してとりくむことが大切である。

 イ、大企業・財界の横暴な支配を生きた事実で具体的に告発する……七〇年代前半には、公害問題や物価問題などで「大企業の横暴」が誰の目にも明らかになり、国民的批判にさらされた。その後、八〇年代、九〇年代をつうじて、「民間は必死に努力している」式のキャンペーンが洪水のように流されるなかで、「大企業の横暴」の実態が見えづらくなる状況も強まった。国民意識をふまえ、大企業・財界の横暴な支配の実態を、生きた事実で批判、告発していくとりくみが重要である。

 「構造改革」路線が、財界による“専制的”ともいうべき直接的な政治支配によってすすめられている実態の告発は、その重要な内容の一つである。「政策評価」にもとづく企業献金という政策買収のシステム化、経済財政諮問会議をはじめとする財界首脳による政策決定への直接指揮、今回の総選挙にみられた文字どおりの“財界ぐるみ選挙”というほかない選挙戦へのあからさまな介入など、国民生活を脅かす自民党政治が、財界の直接の支配と指揮のもとにおこなわれていることを、生々しく明らかにしていく。

 大企業・財界による横暴な支配の告発とともに、わが党は、「大企業敵視」論にたつものではなく、その「横暴と身勝手」を問題にし、大企業にその社会的存在にふさわしい社会的責任と負担をもとめていることなど、“民主的ルールのもとでの大企業との共存”という綱領の立場を明らかにしていくことも、大切である。

 ロ、国民に苦難をおしつけるための、誤った考え方を打ち破る……「構造改革」を国民に無理やりおしつけるために、さまざまな誤った考え方――「官から民へ」「小さな政府」「公務員の既得権益打破」などが広く流布されている。

 「構造改革」の考え方に共通するのは、国民の中に「対立」をつくり「分断」をはかることである。「公務員労働者と民間労働者」、「現役世代と高齢者」、「労働者と自営業者」、「働く女性と専業主婦」など、意図的に「対立」をつくり、暮らしを壊す政治に反対する勢力や運動を、「既得権益」を守るための「利己的」行動とえがいて攻撃する。これが常とう手段である。

 こうした国民分断の攻撃にたいして、社会的連帯を大きくおしだし、その立場にたった反撃とたたかいをすすめることが重要である。いま「小さな政府」のかけ声ですすめられている公務員攻撃のねらいは、住民サービスの切り捨てとともに、民間労働者との賃下げ競争を加速させること、さらに大増税への地ならしにある。公務員労働者が、この攻撃の本質を明らかにし、「住民との連帯」、「民間労働者との連帯」、「国民との連帯」の立場で、これをはねかえすことがつよくもとめられている。

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