日本共産党第22回大会

来賓あいさつ

2000年11月23日(木)「しんぶん赤旗」


景気回復へ政治変えよう

全国商工団体連合会会長 菱健蔵さん

v 中小業者の営業と暮らしは、かつてない深刻な事態となっています。企業倒産は過去最高の水準で、民間調査機関によるとこの十月の倒産は、十月としては戦後六番目の記録を更新しています。また、総務庁の労働力調査では、昨年の九月と比較し、自営業主と家族労働者はこの一年間で六十七万人も減少しています。

 こうしたなかで私たちの周りの業者からも廃業、倒産、そしてみずから命を絶つ人が後を絶ちません。

 警察庁の発表によりますと、昨年一年間の自殺者は三万三千人を超え、このうち自営業者は四千二百八十人にものぼっています。これは前年と比べて一三%も増えている状況です。

 今、全国のどこを回っても、従来にぎわっていた商店街は閑古鳥が鳴き、地域経済は死んだような状態です。

 山形県鶴岡市の中心の銀座商店街振興組合の専務理事の方の話によると、日曜日の交通量調査の結果、十年以上前のピーク時には、一万八千人でにぎわっていた通りが、今では三百人ほどに落ち込んでしまったといいます。「大変なことだ」と訴えています。

 こうした状況は、大企業のための自民党政治の悪政、とりわけ消費税の増税による消費不況の深まりと、大型店などの規制緩和政策の強行が大きな原因です。政府、財界はこれまでの逆立ちした財政政策を棚にあげ「消費税を二ケタ台へ増税しなければ二十一世紀の少子・高齢化社会は支えられない」とキャンペーンを展開しています。

 今、自民党政治にたいする不満と怒りは爆発寸前です。全商連では「消費税増税反対など税制改革署名」と「国民本位の景気回復を求める署名」という二つの署名運動をおこなっています。

 滋賀県では約四百の団体に郵送しました。これまでは協力してもらえなかった五十四の業者団体から団体署名が返送されてきました。新宿民商では区内の商店会に送ると、これまでどんな署名も断られていた六つの商店会から団体署名が返ってきました。

 民商ではさっそく、商店会長を訪ね、懇談を重ねております。業者からは「一刻も早く景気の回復を」「今でさえ大変なのに、消費税を大増税するなんてとんでもない。政府や自民党は何を考えているんだ」という声や怒りが返ってきます。中小業者が生きていくためには政治を変える以外に道はありません。

 二十一世紀にはどうしても民主的な新しい政府を樹立させることを展望し、さらに運動を発展させることが必要です。このためにも消費税増税反対など共通する要求で広範な中小業者団体、国民との共同を、草の根から大きく広げて政治の流れを変えるために全力で奮闘する決意です。(拍手)


国政とむすぶ母子の運動

新日本婦人の会会長 井上美代さん

顔写真 日本共産党第二十二回大会おめでとうございます。新日本婦人の会を代表し、二十一世紀の輝かしい方針を決定される本大会の成功を心から願い、連帯のあいさつを申し上げます。(拍手)

 私たちは、大会決議案を読ませていただき、期待と感動のなかで新たな世紀の発展方向をとらえることができ、大きな喜びと展望を感じています。

 いま、国民の願いと自公保の悪政との矛盾は深刻で、女性たちは、くらしや子育て、介護、環境、平和、男女平等などあらゆる問題に関心を高め、みずから行動し、政治の場にも積極的に参加しています。徳島・吉野川可動堰(かどうぜき)建設反対や愛知万博の計画見直しの住民運動、大阪セクハラ知事をノックアウトする運動でも、女性たちは力を発揮しました。

 新婦人は、創立以来三十八年の歴史を重ね、全国に一万の班、二万八千余の「小組」というサークル、会員二十万、読者三十万をもつ日本最大の個人加盟の女性団体として発展してきました。

 最近の特徴は、若い世代の母と子がともに育つリズム運動や読み聞かせ運動などが広がっていることです。ここから、新たな若いリーダーが育っており、二十一世紀の女性運動の希望を見る思いです。

 こうした運動に加え、私は、日本共産党から声をかけていただき、九七年に参院選挙に立候補し、議席をもつことができました。全国で学校ウオッチングを行い、草の根から明らかにしてきた小中学校の老朽校舎問題を国会で取り上げ、その成果を全国に返すなど、国政と結んだ新たな運動の広がりができています。また、国政でも繰り返し取り上げ、日本共産党の地方議員や保団連のみなさんといっしょに実現させた乳幼児医療費無料化制度は、若い母親を励ますとともに、制度廃止反対運動の新たな広がりとなっています。

 新婦人は、構成員の「思想・信条の自由」を保障し、全国の女性の切実な願いを国政に結ぶ二十一世紀型の女性団体としてさらに頑張る決意です。

 この間、貧困と暴力根絶二〇〇〇年行進や参院比例制度改悪などの課題で、国内外の女性団体との共同行動も広げてきました。国際連帯でも、国連特別総会・女性二〇〇〇年会議や平和フォーラムで成果をあげました。今国連総会で、新アジェンダ連合の核兵器廃絶決議に結実した六千万人の核兵器廃絶アピール署名達成では、新婦人は、一千万署名を集めました。

 人間が人間らしく生きることができ、平和な社会と政治をつくるため、「新しい世紀 新しい政治をひらく」という日本共産党とともに頑張る決意をのべ、あいさつといたします。(拍手)


核兵器廃絶へ共同広げて

原水爆禁止日本協議会事務局長 高草木博さん

顔写真 十五年前、日本原水協など十二カ国の反核平和団体がよびかけた「ヒロシマ・ナガサキからのアピール」への署名は、六千万筆をこえました。この運動は、当時どの国の反核平和運動も本格的に提起していなかった核兵器の廃絶を「人類の死活にかかわる最も重要かつ緊急」の課題とし、正面から提起し、全面禁止を求めました。

 以来、この運動は全世界で、核兵器廃絶の運動を励ましています。私は、核兵器廃絶を「第一義的任務」として掲げる被爆国の党として、日本共産党が原水爆禁止運動を支持してこられたことに深く感謝するものです。(拍手)

 議案でのべられているように、今春、ニューヨークでおこなわれた核不拡散条約(NPT)再検討会議は、核保有五カ国も含めて、「核兵器廃絶を達成する核保有国の明確な約束」を盛りこんだ最終文書に合意しました。また、現在開催されている国連総会でも、この「約束」を確認した「新アジェンダ」諸国の提案が第一委員会で圧倒的多数の賛成で採択されています。

 先日、国連軍縮局から日本原水協に届いた手紙によれば、決議採択に先だってジャヤンタ・ダナパラ国連事務次長は、「アピール」署名が世界一億、日本で六千万集められたことを正規に総会審議の場で報告し、核軍縮努力の推進を促したとのことであります。この出来事は、運動と世論の力こそが核兵器廃絶の原動力であることを示すものです。(拍手)

 ところで、日本政府も、今年の国連総会では「究極的核廃絶」の「究極」の文字を取り去った決議を提出しました。この決議もNPTでなされた「核兵器廃絶を達成する明確な約束」を歓迎し、包括的核実験禁止条約の発効など、個別の部分的措置を並べています。しかし、個別の措置がどれほど重要であれ、核兵器の禁止は、核兵器の禁止そのものを目的として交渉しない限り実現しません。

 日本政府のこの態度の根源は、日米軍事同盟に基づいたアメリカの核戦略の展開を日本の安全を守る「核の傘」などと強弁する好核姿勢にあります。しかし、この点でも日本政府にたいする批判は内外で強まっています。先日、長崎で内外のNGOによる「地球市民会議・長崎」が開催され、私もコーディネーターの一人として出席しましたが、そこでも、日本政府に「核の傘」からの離脱を求める声がすべての参加者の共通の声でありました。

 日本原水協は、二十一世紀最初の年二〇〇一年の行動として核兵器廃絶の事業を支持するすべての勢力に、各国政府、自治体、運動の枠をこえて協力をよびかけ、国内でも広範な人々と対話・連帯して、共同を広げたいと思っています。(拍手)


平和の波確実に大きく

非核の政府を求める会常任世話人 堀場英也さん

顔写真 二十一世紀はあと四十日です。今世紀の特徴は世界の平和と社会の進歩があったとはいえ、戦争に明け暮れた世紀でもありました。その結果、婦人、子どもを含む多くの人民が殺され、貧困と飢餓が拡大されてきています。

 核兵器の出現は、四十六億年かかってつくりあげた地球と生物を壊滅させようとしています。しかし、一方では核兵器ノーという国際的な潮流が全世界に新しい広がりをつくりだしています。

 とりわけ第五十五回国連総会では、非同盟諸国や新アジェンダ諸国が提出した核兵器廃絶決議案が、圧倒的多数の賛成によって採決されました。また、核保有国である中国が先制不使用を唱える、南北朝鮮の統一の機運が実現可能となるなど新しい状況が生まれています。昨年の五月、ハーグの平和宣言には、十項目の中に日本国憲法と核兵器廃絶が入っています。

 昨年の十月のIPPNW(核戦争防止国際医師会議)の北京会議では東海村の放射線被ばく、戦争法案の強行採決など、アジア諸国から強い危ぐの念がでました。われわれは、戦争の賠償責任を含めた謝罪を日本政府がすべきであるとのべ、国内での運動を紹介しました。

 今年の七月、パリで開催された世界大会は、日本の反核医師の会から沖縄、NGO、核軍縮、核密約、医科大学における平和教育、被爆者の現状など、幅広い報告をおこないました。

 世界の核戦争防止の運動をすすめる医師の中でも米国と、それに追随する日本への批判は、われわれと共通の課題となっています。平和の波は確実に大きくなっています。

 日本の現状はどうでしょうか。五月のNPT(核拡散防止条約)再検討会議では究極廃絶論が退けられ、最終文書では「自国の核兵器の完全廃絶」を「明確に約束」することが、核保有国を含む合意となりました。これをうけた国連総会で、日本政府は「核兵器全面廃絶への道程」という決議案を提出しました。しかし、もっとも肝心な核兵器をすみやかに廃絶するという立場はありませんでした。従来からのアメリカが許容する範囲のものでしかありませんでした。日米核密約問題は、不破委員長が国会で取り上げ、いかに日本政府がうその答弁をしていたかが明らかになりました。

 核兵器に固執する勢力、それに追随する日本政府の道理のなさ、情けなさはあきれて怒りを覚えます。

 みなさんの大会決議案でも「“道理にたった外交と運動の力”を広げるならば、二十一世紀にその廃絶への道を開きうる」とのべています。道理を世に問い、みなさんと一緒に、今こそわれわれの出番だと考え、連帯して運動を進める決意です。(拍手)


増税ノーの運動全国で

消費税をなくす全国の会常任世話人・事務局長 杵渕智子さん

顔写真 二十一世紀の新しい政治の進路をしめす、歴史的な第二十二回党大会の開催、おめでとうございます。日ごろから、私たち消費税をなくす会の活動に、ご支援をいただいておりますことに会を代表して感謝申し上げます。

 私たちの活動は、「しんぶん赤旗」にも取り上げていただいています。会の機関紙「ノー消費税」が「赤旗」の「潮流」欄で紹介されるたびに反響があります。

 消費税をなくす会は、日本共産党の提唱により、九〇年六月にわずか三百三十五人の発起人によって結成されましたが、結成から満十年、会員は百十九万人を超えるまでになりました(拍手)。自民党が支持率を下げるのと対照的です。

 先日、成功させた全国総会では、二つのことを申し合わせました。一つは、消費税のない二十一世紀に向かって、会員二百万人の峰を達成し、増税ノーの世論と運動を高めよう。二つ目は、来年の参院選挙で、消費税・増税ノーの議員と政党を一人でも多く国会に送ろうということです。

 この実現のためには、自分のできることを好きなように、楽しくやろうということで、創意あふれる多彩な活動が全国ですすめられています。

 東京では、会の世話人によるピアノ伴奏で、コーラスをしながらの消費税学習会を開催し、新しい会員が増えています。京都では、歩く運動をしている女性たちが、なくす会ののぼりを持って歩こうと実践。たちまち子どもたちから「消費税のおばちゃんや」と声がかかったり、道で会った知り合いが入会したりしています。岩手県の前沢町の会は、人口の一割の町民を会に迎え、一週間かけてニュースを配っています。この活動が、選挙のときに生きて、消費税ノーの政党を大きく伸ばしています。

 政府税制調査会が七月に出した「中期答申」は、まさに消費税を「基幹税」にする「大増税答申」です。与党・財界からも、増税論が絶えません。「消費税を高齢化社会の福祉に備えるというのはウソだった」「これ以上の増税なんて、ひどすぎる」と全国から怒りの声があがるのは当然です。将来不安は、若い人にまで広がっています。

 深刻になっている国民の苦しみを思えば、来年の参院選挙では、運動が足りなかったという言い訳は許されません。天下の悪税・消費税をなくしたいという国民多数の願いに結びついて活動するなら、新しい世紀を消費税のない時代にすることができます。

 大会のご成功が、日本共産党の輝ける一ページとなり、新しい世紀に大きく活躍されることを心から期待して、ごあいさつといたします。(拍手)


大学良くする学生の共同

全日本学生自治会総連合中央執行委員長 遠地靖志さん

顔写真 全日本学生自治会総連合と全国の学生自治会を代表して、日本共産党第二十二回大会にお祝いを申し上げます。

 いま学生は、競争に追いたてられた高校までの教育のもと、学ぶ楽しさを見失わされています。深刻な就職難のもと、将来への希望を見失う学生も少なくありません。一方で環境、平和、福祉などあらゆる問題の矛盾がふきだすもとで、「自分に何ができるのだろうか」「学んだことを生かして社会の役に立ちたい」という模索を強めています。受験戦争や内申書重視の政策のもとでバラバラにされてきたからこそ、「本音で話せる友人がほしい」など、他人とのつながりを大事にしたいという要求が強いのも特徴です。

 しかし、自民党政治のもとで、世界一高い学費のために、国立大でさえ、学費を払えずに大学をやめていく仲間が生まれています。学生の就職率は過去最悪の五六%となり、学卒未就職者がはじめて二割を超えました。政府は大学に責任を持つことを放棄し、独立行政法人にしようという計画もすすめられています。この計画が進められれば、学費が三〜五倍となり、学部別授業料も導入され、学生の学ぶ権利は奪われてしまいます。

 全学連と全国の学生自治会は、「力をあわせて大学をよくしていこう、おおもとにある政治の流れを変えよう」と呼びかけてきました。京都のある私立大学では、学生総会の成功を力に大学と交渉し、五年連続で学費値上げ計画をストップさせました。大阪のある大学では有志の会でアンケートを集め、大学に要請し、クーラー設置をかちとっています。

 国会要請では、全国から約八十人の学生が参加し、文部省に施設改善の緊急対処を約束させました。

 学費値下げや就職難の緊急解決を求める署名には、共産党をはじめ、民主党や社民党、無所属議員も賛同しています。あす(二十三日)も「就職難に泣き寝入りしない女子学生の会」と共同で、「就職難に泣き寝入りしない」とシンポジウムやパレードを行う予定です。

 社会のさまざまな問題と自分たちの専門学問を結びつけて学び、人間的にも成長することを重視、十二月の全国学生学術文化集会の成功をめざしています。

 学生の声を国政に生かすために日本共産党にはおおいにがんばっていただきたいと思います。二十一世紀の日本を担う学生として、学び成長するとともに、全国の学生の思いを実現するために大きな運動をつくっていく決意を表明して、ごあいさつとします。(拍手)


基地被害にかつてない抗議

日本平和委員会事務局長 須田博さん

顔写真 日本平和委員会は、全国各地の草の根で、日本と世界の平和を求めて、核兵器廃絶、基地撤去・日米軍事同盟打破、憲法第九条の擁護、侵略戦争を許さないなどさまざまな運動を展開しています。平和のたたかいで日本共産党との協力共同がますます発展してきていることを喜んでいます。

 私たちが力を入れている活動の一つが、基地撤去・日米軍事同盟打破の運動です。一九八六年以来、多くの労働組合・民主団体とともに日本平和大会を開催し、基地はいらない、安保をなくそうの世論と運動を広げてきました。今年も十一月三十日から四日間、沖縄で開催します。

 基地問題でいま注目されることは、米軍基地被害にたいして、多くの地方自治体・住民が抗議の声をあげ、行動し始めていることです。米軍の横暴な夜間離着陸訓練の中止を求めて三沢市(青森県)と大和市(神奈川県)が米軍との友好関係断絶を宣言したこと、関連自治体が空母母港の撤回を要求し始めたことは、かつてなかったことです。

 低空飛行訓練の中止を求める地方自治体がその一点で、労働組合・平和団体との共同を発展させようとしていることも重要です。十四県知事でつくる渉外知事会、沖縄県、神奈川県市連絡協議会がそろって日米地位協定の見直しを要求していることも注目されます。

 なぜ、こうした声がいま噴出しているのでしょうか。その背景の一つは、日本の米軍基地が戦後五十年も過ぎたのに、あまりにも異常な状態だということに多くの人々が気づきだしたことです。もう一つは、最近のアジア情勢の平和への方向への変化です。南北朝鮮首脳会談やASEANフォーラムなど紛争の平和的解決を求める流れが強まっていることは明らかです。

 ところが、アメリカは世界の平和秩序に敵対する干渉戦略を展開し、森内閣と自公保が積極的に加担しています。これによって米軍基地被害が起こされているわけで、地方自治体、住民が抗議の声をあげるのは当然です。

 日本平和委員会は、こうした新しい情勢のなかで、安保条約廃棄を世論の多数派にするために努力し、地方自治体と力を合わせ、基地被害の根絶、地位協定見直しで、国民的な共同を実現するために奮闘します。また、沖縄・名護への最新鋭基地建設に反対する運動や、戦争法の具体化・発動反対、憲法改悪反対、核兵器廃絶、日本への核持ち込み体制の一掃のためにも全力をつくします。

 世界の平和運動の共同と正しい発展のため交流、連携をいっそう強め、日本の平和運動の推進力としての平和委員会をすべての自治体につくり、平和の仲間を増やしたいと思います。(拍手)

 


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