日本共産党

2003年1月28日「しんぶん赤旗」

文化庁予算案

施設建設費が増加 活動経費は減少傾向


 二〇〇三年度の文化庁予算案が発表されました。前年度比で1・9%増。初めて一千億円を突破しましたが、芸術・文化活動にとって手放しで喜べるものとはなっていません。

 「文化芸術振興基本法を踏まえた心豊かな社会の実現」というテーマを掲げた今年度予算案。目立った伸びを示したのは新国立美術展示施設(二十七億円)や九州国立博物館(四十億円)などの大型文化施設の整備促進(建設)費でした。建築工事が進行中のため、両事業とも予算はほぼ倍に。国立国語研究所整備促進事業(約二十五億円)も新規に加わりました。

 文化施設の建設費の増額で、「文化振興のための基盤整備」にかかわる予算は前年度比で約四十億円の増額。また、新規の大きな柱のひとつとして、「日本文化の魅力」発見・発信プランが創設され、約五十億円の予算が組まれました。文化庁が「文化交流使」を派遣するなどして「諸外国の芸術家・文化人との連携協力を強化」し「日本文化発信の具体化・事業化を促進する」としています。

 そのいっぽう、「文化芸術創造プラン(新世紀アーツプラン)」は二億円近くの減少となりました。「トップレベルの舞台芸術公演・伝統芸能等に対しての重点支援」などを打ち出した「新世紀アーツプラン」ですが、芸術創造のための活動経費には多くの予算がまわらなかったのが現実です。「文化芸術立国推進プロジェクト」の核となるこの事業の予算が微減という事態は、文化芸術振興基本法の成立一年後の予算案としては、寂しい限りです。

 十月に独立行政法人に移行する予定の日本芸術文化振興会の運営費(百十七億円)は十億円の減額。要望も強かった新国立劇場の演劇の研修事業費のように、百万円程度でも認められず、振興会の舞台芸術振興事業への補助のように三分の二に削られてしまった事業もあります。

 また、前年度はじめて計上されたものの、現実にはほとんど利用されなかった「文化体験プログラム支援事業」は今年度十七億円も予算化されました。「映画製作への重点支援」(八億円)についても、映画製作の実態とかみあわないことが文化庁の懇談会でも指摘されています。関係者の要望や実態にかみあう予算になるよう、考え直すべき時期にきているといえます。

 金子徹記者


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp