日本共産党

2002年4月6日(土)「しんぶん赤旗」

サッカーくじ1年
どんな問題がでている?


 〈問い〉 「サッカーくじ(toto=トト)」が導入されてから1年がたち、収益の配分が始まります。どんな問題が出ていますか。(神奈川・一読者)

 〈答え〉 「サッカーくじ」の昨年度の総売り上げは643億円となりました。「くじ」を運営する日本体育・学校健康センター(文部科学省管轄の特殊法人)が見込んだ812億円をかなり下回る額です。収益配分を待つ競技団体や地方自治体の関係者の間には複雑な思いが広がっています。

 そのうえトトの実施が皮肉な結果を招いています。競輪、競艇などの公営ギャンブル競技が、トトの開始を理由にスポーツ団体への補助金や寄付を軒なみ減らしています。

 さらには国によるスポーツ振興策の後退も懸念されます。日本体育協会の今年度予算は「サッカーくじ」からの配分を見込んだ分、国庫からの補助金が少なくなっています。また、地方自治体への配分は、「売り上げ実績」が考慮されるといいます。

 ちなみに今シーズンの「サッカーくじ」の売り上げは1回につき15億円前後で推移しています。昨シーズンの1回平均の売り上げが約20億円ですから、この水準では来年度の収益がさらに少なくなることも予想されます。

 くじの売り上げ低迷は、ギャンブル頼みのスポーツ振興策が国民の理解を得られていないことを示しています。「サッカーくじ」の導入には、全国各地のPTA団体や弁護士会、女性、教育・スポーツ団体などの強い批判の声があります。

 日本共産党は、スポーツ振興の財源はギャンブル収益によりかかるのでなく、国や自治体の予算を大幅に増額することこそが本筋であり、国民の合意を得られる道だと考えます。

 昨年の実施状況では、19歳未満への販売禁止措置を怠った販売店が14%もありました。子どもをギャンブルに巻き込む実態にも引き続き監視の目を光らせていくことが求められています。

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 〔2002・4・6(土)〕


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