日本共産党

2002年1月16日(水)「しんぶん赤旗」

日本芸術文化振興会の独立行政法人化とは?


 〈問い〉 特殊法人である日本芸術文化振興会を独立行政法人化する計画があるそうですが、いままでとどう違ってくるのですか。(東京・一読者)

 〈答え〉 いま懸念されている問題は、これまでの振興事業への国の助成が縮小されること、政府の監督が強化されることです。

 日本芸術文化振興会は、国と民間の資金で作られた芸術文化振興基金による芸術・文化活動への助成と、国立・新国立劇場の管理・運営という二つの事業を行っています。芸術文化振興基金が設立されたのは一九九〇年、国立能楽堂、国立文楽劇場は八〇年代、新国立劇場は九七年にオープンしたばかりです。

 小泉内閣は昨年十二月に発表した特殊法人の「整理合理化計画」で、日本芸術文化振興会の事業を見直し、独立行政法人とすることをもりこみました。そして同振興会の二つの事業にたいする国からの助成を「抑制」「終了」するとともに、国立・新国立劇場の運営については、全面的な民間委託とすることなどを打ち出しました。

 ようやく軌道にのりはじめたばかりの芸術・文化活動への国の支援を打ち切っていこうという計画に対し、演劇や映画関係者を中心に驚きと強い反対の声があがっています。芸術や文化は、「市場原理」だけにまかせられない分野であり、文化への支援は、民間も含めもっと増やすべきです。

 また、振興会が独立行政法人になると、国から「中期目標」を与えられ、その実施状況も国の「評価」を受けることになります。「独立」の名前とは裏腹に、活動内容の面で政府の強い監督を受ける組織となってしまいます。

 芸術・文化活動は、ほんらい、自由・自律的に行われることで発展するものであり、国の監督や介入のもとでは、のびることができません。独立行政法人化など、国が運営や活動内容に口を出すようなやり方はやめるべきです。(

〔2002・1・16(水)〕


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