日本共産党

2001年9月29日(土)「しんぶん赤旗」

不良債権処理で不況から脱出できるか?


 〈問い〉 小泉内閣は「不良債権の早期最終処理」が今の不況を脱出する上で重要だといいますが、本当なのですか。日本共産党はどのように考えますか。(埼玉・一読者)

 〈答え〉 小泉内閣が強調する「不良債権の早期最終処理」の対象となる企業の多くは、まじめに働いてきたけれども、思うように売り上げが伸ばせず、やむなく赤字に陥ったり、資金繰りに困っている中小企業です。

 二、三年という期限を切って行うとする「最終処理」は、長引く不況で経営が困難になっている企業等への融資を打ち切り、担保を処分し、企業の命脈を国の政策として断つものです。

 日本共産党の佐々木憲昭衆院議員は、倒産・廃業に追い込まれる中小企業は、大手銀行十六行の不良債権処理だけで、二十万から三十万社にのぼると試算しています。また、政府自身の試算でも五十万から六十万人、民間研究機関の試算で百万人以上が職を失うとされています。

 小泉内閣は、“不況を脱出するために不良債権処理が必要”といいますが、現在の不況の原因は不良債権ではなく、経済の六割を占める個人消費が冷え込んでいることにあります。中小企業の倒産と失業を急激に増加させる「最終処理」は、景気回復に役立つどころか、倒産や失業の増加とともに、消費をさらに冷え込ませ、日本経済に深刻な破局をもたらすものです。

 帝国データバンクの専門家も「痛みは一時的というが、中小企業など経済的社会的弱者に集中し、しかも耐えられないほど長期間続く恐れが強い」と述べ、「最終処理」による不況の長期化を警告しています。

 日本共産党は、中小企業を倒産に追い込む「最終処理」でなく、家計を直接応援する景気対策、経済対策に切り替えることが必要だと主張しています。そのために、消費税の減税、雇用の拡大、安心できる社会保障など具体的な提案をしています。(芳)

 〔2001・9・29(土)〕


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