日本共産党

2001年6月21日(木)「しんぶん赤旗」

 判例で確立した「整理解雇4要件」とは?


 〈問い〉 会社の整理解雇が認められるには「整理解雇四要件」を満たさなければならないとされます。「四要件」とはどういうものなのですか。 (大阪・一読者)

 〈答え〉 「整理解雇四要件」は、企業が経営上の理由で整理解雇をする場合、必要とされる条件で、最高裁を含む判例で確立されてきました。

 第一は、企業の維持・存続ができないほどさしせまった必要があることです。判例は、「経営が苦しい」というだけでは足らず、「企業の維持存続が危うい程度に差し迫った必要性を要する」「企業が客観的に高度の経営危機下にあることを要する」「企業の合理的運営上やむをえない必要性」がある等々、客観的な必要性がなければならないとしています。

 第二は、解雇を回避するあらゆる努力がつくされたことです。配転・出向・希望退職の募集など雇用調整手段を講ずるといった努力をせず、いきなり整理解雇をするのは、解雇権の乱用として無効だという判例があります。また、労働者を子会社へ転籍させることは、労働組合が同意していても、本人の同意がいるとされています。

 第三は、解雇対象となる労働者の選定基準、人選が合理的なことです。選定基準を明示しない整理解雇は、恣意(しい)的なものということになります。

 第四は、以上の条件について労働者個人および労働組合に、事前に十分な説明をして了解を求め、解雇の規模、時期、方法などについて、労働者側の納得を得る努力がつくされていることです。

 リストラを推進する財界の圧力とともに、労働裁判では「四要件」を崩す動きもあります。日本共産党は、「四要件」を法律として明文化する「解雇規制法」、横暴なリストラを抑える「リストラ規制法」の制定を主張し、参院選政策にも掲げています。

 ヨーロッパ諸国では、解雇制限法など雇用上の権利を守る法律が整備されています。(沢)

 〔2001・6・21(木)〕


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