2000年8月12日(土)「しんぶん赤旗」

 5全総がムダな公共事業をすすめるとは?


 〈問い〉 政府がムダな公共事業をすすめる大もとに五全総という開発計画があると聞きます。五全総とはどういうものですか。(福岡・一読者)

 〈答え〉 五全総は、第五次全国総合開発計画の略称で、国土総合開発法にもとづいて総理大臣が定める全国開発計画です。現在の計画は、一九九八年四月に、当時の橋本内閣が定めました。

 全総計画は、六二年に初めて導入されて以来、一貫して自民党政治による大企業中心の国土づくりを促進させる役割を果たしてきました。二全総(六九年)で打ち出した目玉開発のむつ小川原開発は、いまも二千二百億円の赤字、苫小牧東部開発は、千八百億円の赤字を出して完全に破たんしています。それにもかかわらず、過去の失敗や浪費に何の反省もなく、ゼネコンや一部の大企業のもうけのためのムダな大型プロジェクトをら列しているのが五全総です。

 五全総を見ると、首都機能移転、中部国際空港など三大都市圏の国際空港、六つの超長大架橋建設など、ゼネコン本位の巨大型公共事業が目白押しです。

 前回の四全総(八六年)は、投資規模の金額(一千兆円)を明示していましたが、五全総は、財政への配慮から金額を明示していません。しかし、五全総は首都移転をはじめ巨大プロジェクトが軒並み並んでおり、四全総をはるかに超える計画だといわれています。

 ムダの最たるものの一つ、首都機能移転計画は、一極集中排除等の名目も破たんし、ゼンコン向けだけの計画であることが明白なもの。本州・四国間のこれまでの三つの架橋に加え、新たに和歌山から四国へ、大分から愛媛へと二つも横断道路をつくろうという計画も同様です。このように五全総は、浪費と借金財政をふくらませる大もとになっています。

 日本共産党は、浪費と巨大開発をくり返して国と地方の財政を破壊する五全総を破棄するとともに、公共事業も総額を決めて地方に押しつける総額方式でなく、真に必要な公共事業を積み上げていく方式に改めること、環境を守り、住民生活の福祉の向上に直接役立つ事業を中心に切り替えることを主張しています。(広)

 〔2000・8・12(土)〕


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