日本共産党

2001年6月13日(水)「しんぶん赤旗」

 農業の担い手でヨーロッパの現状は?


 〈問い〉 農業の担い手は、高齢者の多い日本と違い、ヨーロッパは働きざかりの人が主力だということです。実情を教えてください。(佐賀・一読者)

 〈答え〉 農業生産を持続的に発展させていくには、農業の担い手が系統的に確保されなければなりません。

 農業の盛んなフランスやイギリスの農業就業人口における年齢階層別構成を見ると、各年代で平均的に就業しており、五十五歳未満の青壮年が約八割を占めます。専業的な農家が多いなど条件の違いはありますが、農業就業人口の半分以上が六十五歳以上、三十五歳未満が三%弱の日本とは大違いです。

 EU(欧州連合)の共通農業政策では、価格・所得政策や条件不利地域対策など農家の経営を維持、発展させる対策とともに、青年農業者の就農促進対策が大きな柱になっています。青年農業者の就農促進に積極的なフランスでは、青年が就農する際に経済的自立ができるよう、年間百五十万円〜三百五十万円の就農助成金の支給や特別貸付制度などがとられています。

 こうした政策の背景には、食料の確保に加え、農業を国土・環境の保全、地域社会の活性化といった多面的な機能をもつ産業として重視していることがあります。その立場から規模拡大一辺倒の政策が見直され、農業によって自立できる家族経営をできるだけ多く維持、育成することが重視されています。

 日本共産党は、日本農業の立て直しを国政の中心課題にすることを求めるなかで、青年農業者支援制度の創設を提案しています。食料自給率を向上させ、農業と農村を活性化させるためにも、これらの国の経験は教訓になるものです。(野)

 〔2001・6・13(水)〕


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