2001年5月27日(日)「しんぶん赤旗」

 労働者の権利に関するILO新宣言とは?


 〈問い〉 労働者の権利にかんして、ILOが近年、宣言を採択しているそうですが、どんな宣言なのですか。  (東京・一読者)

 〈答え〉 おたずねの宣言は、一九九八年の第八十六回ILO(国際労働機関)総会で採択された「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」です。

 ILOでは、「世界の永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立することができる…」との言葉で始まるILO憲章(一九一九年採択、四五、四六年改正)、ILOの目的と原則を明確にした「フィラデルフィア宣言」(一九四四年)に次ぐ基本文書に位置づけられています。

 宣言は、経済のグローバル化に伴う失業の増大や貧富の差の拡大という負の側面を排除するために出されたもので、すべての加盟国は労働基準にかんする以下の四原則(八条約)を「尊重し、促進し及び実現する義務を負う」と宣言しています。

 労働基準四原則とは、(1)結社の自由及び団体交渉権の効果的な承認(第八七号条約、九八号)、(2)あらゆる形態の強制労働の禁止(二九号、一〇五号)、(3)児童労働の実効的な廃止(一三八号、一八二号)、(4)雇用及び職業における差別の撤廃(一〇〇号、一一一号)です。

 八条約は、最優先で批准すべき中核的条約です。八七号(結社の自由及び団結権の保障に関する条約)、九八号(団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約)、二九号(強制労働に関する条約)、一〇五号(強制労働の廃止に関する条約)、一三八号(就業の最低年齢に関する条約)、一八二号(最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約)、一〇〇号(同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約)、一一一号(雇用及び職業についての差別待遇に関する条約)。

 日本は、一〇五、一一一、一八二号の三条約が未批准ですが、一八二号は衆院で審議中で今国会で全会一致で批准される見通しになっています。(内)

〔2001・5・27(日)〕


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