日本共産党

政府の作ったリストラ支援の法律とは?

 2001年3月22日(木)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 政府が法律までつくってリストラを支援してきたことが失業問題をひどくしているとのことです。リストラ支援の法律とはどんなものなのですか。

(東京・一読者)

 

 〈答え〉 政府が作ったリストラ支援の法律には、九九年の「産業活力再生」法、昨年の会社分割法(商法改定)などがあります。

 「産業活力再生」法は、大企業にたいし二〇〇三年までに、合併・買収、分社化など「事業の再構築の計画」を作らせる、主務大臣が計画を認定した場合、事業者にたいし支援措置(債務の救済、金融・税制上の支援その他)を講じる、という法律です。全産業にわたって大企業の事業再構築=リストラを認定し、企業組織の再編成のためのM&A(合併・買収)や分社化、企業の切り売りを容易にし、工場閉鎖や企業設備の廃棄などに金融上、税制上の優遇を与えるなど、大企業のリストラ・人べらし推進法といえるものです。

 同法成立(九九年八月)後、二〇〇一年三月までの間に同法の適用認定を受けた企業はのべ七十三件、従業員の削減計画は自動車産業をはじめとして上位十社だけで二万三千二百六十人にのぼります(日本共産党・山下よしき参院議員の調査)。

 会社分割法は、企業の事業部門の分離・独立を容易にし、重複する事業の統合や不採算部門の切り離し・売却などの再編・リストラを促進する目的でつくられ、株主総会の承認を省略して会社分割ができることなどを定めています。そのために分割法は、これまでの民事法の大原則だった労働者の転籍移動には本人の同意を要するという原則を崩しています。

 政府は今国会に、二〇〇一年度税制の「改正」案を提出していますが、この中には、会社分割法の実施(ことし四月)に合わせ、大企業の再編成をやりやすくするための大幅な減税措置がもりこまれています。

 失業率が過去最悪(四・九%)を記録し、深刻化するなかで、乱暴な大企業のリストラ・解雇に歯止めをかけるルールをつくるとともに、リストラ支援などの政策をやめさせるなど、雇用政策を大もとから切り替えることが重要になっています。

(豊)

〔2001・3・22(木)〕

 

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