日本共産党

森林の荒廃がいわれているが…?

 2001年3月21日(水)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 日本は森林の豊かな国だと思っていたら、木材輸入が増えて森林が荒廃しつつあると聞きました。どうしてこんなことが起きるのですか。(神奈川・一読者)

 

 〈答え〉 日本の国土の三分の二は森林です。その森林の荒廃が大規模開発などさまざまな原因で広がっています。

 とくに最近、大きな問題になっているのが、森林面積の四割をしめる人工林の多くが、手入されずに放置されていることです。こうした森林では、蔓(つる)や枝がからみあい、やせ細った立木が密集したままになっています。林地に日光が入らないため下草も生えず、少しの雨でも表土が流出してしまうため山地の崩壊や風水害の被害も増えています。

 森林には、国土や自然環境の保全、水資源のかん養など公益的な機能の発揮が期待されていますが、このままでは、せっかく植えた樹木が生かされないばかりか、生態系の破壊や災害の原因になり、水質も悪化させるなど、国民の生活や安全を脅かすことになってしまいます。

 その大きな原因は、森林を管理する林業が、政府・自民党の長年にわたる外材依存政策によって、成りたたなくされているためです。人工林を健全に育成するためには、下刈りや除・間伐の手入れなどの整備が欠かせません。また、伐採した跡には植林など造林作業が必要です。しかし、国産材の六割をしめる杉の立木価格は、十年前の半分にしかならず、林業そのものが成りたたないため、伐採したまま放置したり、手入れをしたくてもできない状況になっています。

 森林の荒廃を防ぐには、開発至上主義のリゾートや大規模林道などの乱開発を改めるとともに、森林を直接整備する林業活動が持続的、安定的におこなえるようにすることが大切です。

 日本共産党二十二回大会(昨年十一月)は、林業・木材産業を山村地域の産業として大事にし、「国産材の利用促進と輸入の抑制による林業の再建」をめざすことを明らかにしています。(野)

〔2001・3・21(水)〕


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