日本共産党

「歯舞、色丹は北海道の一部」とは?

2000年11月4日(土)「しんぶん赤旗」

 〈問い〉 日ロの領土問題に関連して、択捉、国後は千島に属し、歯舞、色丹は北海道の一部だとのことですが、その根拠を教えてください。 (京都・一読者)

 

 〈答え〉 北海道根室半島のすぐ近くにある歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)は、地理的には千島列島に入らず、歴史的にも北海道本島の一部として扱われてきました。地質的にも、択捉(えとろふ)、国後(くなしり)を含む千島と異なります。

 一九五六年に合意した日ソ共同宣言の交渉のなかで日本政府は、二島が北海道の一部であることを主張。それをソ連側が認めたことから、宣言では、平和条約締結後という条件つきながら、「歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する」と規定されました。歯舞、色丹はサ条約二条C項で放棄した千島には含まれない島ですから、平和条約締結前にも必要なら中間的条約を結んで返還させるのが当然です。それを日本政府が放棄した択捉、国後と抱き合わせにしているために、問題解決を難しくしています。

 択捉・国後については、政府・自民党は「放棄した千島ではない。放棄したのは北千島だけ」という主張を繰り返していますが、これは国際的に通用しません。サ条約の批准国会(五一年)では、政府はサ条約の解釈を示し、「条約にある千島の範囲については、北千島と南千島の両者を含む」(西村条約局長)とのべていました。それを五五年になって択捉・国後は放棄した千島ではないといい始めました。これでは、ロシアにも世界にも説得力をもたず、問題はかたづきません。

 日本共産党は、日本の歴史的領土である北千島をふくめた全千島の返還を要求しています。そのためにも、領土不拡大の原則に反してスターリンがヤルタ協定で千島列島の引き渡しを要求し、米、英がこれを認めた戦後処理の誤りを正す立場に立ち、サ条約二条C項を不動の前提とせずに、国際的に通用する道理で問題を解決することを提案しています。

(山)

〔2000・11・4(土)〕


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