大店立地法は大店法とどう違う?

2000年7月29日 (土)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 六月から大店立地法という法律が施行されましたが、これまであった大店法とどう違うのですか。(千葉・一読者)

 

 〈答え〉 大店立地法(大規模小売店舗立地法)は、一九九八年に、それまであった大店法(大規模小売店舗法)を廃止して、新たに作られた法律です。

 アメリカと日本の財界は、大型店の進出規制の撤廃・緩和を要求。これを受けて、一昨年の国会で、自民、民主、公明、社民、自由などの賛成で大店法を廃止する大店立地法が成立しました。

 大店立地法は、大型店舗への規制を大幅緩和した法律です。大店法では、地域の中小小売店や商店街の営業に影響が出ないよう、開店日、店舗面積、閉店時刻、休業日数を調整することができたのにたいし、大店立地法のもとでは、それをせず、「生活環境の保持」への配慮をさせるだけにしています。そのため、大店法にあった「中小小売業の事業活動の確保」という文言を削除しました。

 大店立地法のもとで、大型店が出店する場合、届け出を受けた都道府県ないし政令指定都市は、生活環境への影響などを審査し、地域の住民や経済団体の意見を踏まえて大型店側に対策を求め、生活環境対策が不十分な場合、変更を迫る「勧告」をします。この「勧告」は、周辺地域の生活環境に著しい悪影響を及ぼす場合にしか出せません。

 このように大店立地法は、出店自由化が大前提という根本的な欠陥がありますが、生活環境の保全という面から、地方自治体で騒音や営業時間など一定の抑制措置をとろうという動きが広がっています。このとりくみを支援し、自治体への政府の不当な干渉を許さないことが、大事になっています。

 ヨーロッパ諸国では、中小小売業、都市環境、雇用などへの影響を考慮して、大型店の出店規制強化が流れになっています。

 日本共産党は、大型店の進出規制は、緩和ではなく、届け出制を許可制に改めるなど、強化すべきだと主張しています。(豊)

  〔2000・7・29(土)〕

 

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