介護保険法の改正案を提出したのは?


 〈問い〉 日本共産党は、今国会に介護保険法の改正案を提出したそうですが、どんな法案なのですか。(兵庫・一読者)

 

 〈答え〉 日本共産党が今国会に提出した介護保険制度にかかわる法律の改正案は、介護保険法・介護保険施行法の改正案と、保険料負担などについての臨時特例法案から成っています。

 日本共産党は、昨年十一月、介護保険実施を前に、保険料凍結中におこなうべき最小限の課題として介護サービス基盤の整備や低所得者対策で緊急の改善をおこなうことなどの提案をおこないました。日本共産党の改正案は、この提案を具体化したもので、利用料の低所得者減免、保険料の一年間の徴収延期、国庫負担の引き上げなどを主な内容としています。

 政府の介護保険法では、利用料は介護サービス費用の一割負担で、利用者の八割が無料だった訪問介護も一回一時間未満の利用で約四百円負担しなければなりません。日本共産党の改正案は、住民税を払えない人(非課税者)を対象に減免を実施、住民税非課税者は在宅サービスの場合は全額免除とし、施設サービスは現行の負担水準まで軽減するようにしています。これによって、六十五歳以上の人の七六%が利用料免除の対象になります。

 国庫負担では、改正案は、介護保険全体の費用の五〇%に引き上げることにしています。政府がこれまで老人福祉で二分の一だった国庫負担を四分の一まで引き下げたことが、利用者の重い負担などの矛盾の背景にあるだけに、国庫負担の引き上げは不可欠です。

 また臨時特例法案では、必要なサービス提供ができないほど遅れている介護基盤の整備を集中的にすすめる間の臨時措置として、二〇〇〇年度は保険料を徴収しないことをもりこんでいます。その間のサービス給付の七五%を国庫負担でまかなうことにしています。

 改正案は、二〇〇〇年度の施策の提案を含むため、三月三十一日で日切れとなりましたが、利用料負担の重さから受けるサービスを後退させざるを得ない人が広がっているだけに、その実現がさし迫った課題になっています。(豊)

  〔2000・5・20(土)〕



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