2000年5月13日(土)「しんぶん赤旗」

 氏神信仰をどうみる?


 〈問い〉 日本共産党は、氏神信仰をどうみていますか。また、地域の神社の祭事などの経費を町内会で集めることについてはどうですか。(長野・一読者)

 〈答え〉 日本共産党は、神社神道(しんとう)をふくむ宗教について、その信教の自由を全面的に保障する立場を早くから明らかにしてきました(第十二回党大会第七回中央委員会総会決議「宗教についての日本共産党の見解と態度」、「自由と民主主義の宣言」など)。また、綱領には、「党は、信教の自由を擁護し、政教分離の原則の徹底をめざす」ことを明記しています。

 氏神とは、もともと氏族をまもる祖先神や守護神のことですが、後に土地の住民をまもる産土神(うぶすながみ)として、また鎮守(ちんじゅ)の神とも呼ばれて信仰されてきたものです。これが、戦前の国家神道のもとで、天皇家の氏神である伊勢神宮を頂点とする組織に再編され、地域の住民はすべて、その土地の氏神の氏子(うじこ)とみなされて、天皇崇拝と軍国主義に利用されました。ですから、氏神信仰については、素朴な習俗、慣習の側面とともに、こうした歴史的側面があることも見る必要があります。

 また、町内会には、当然、信仰にたいする考え方の違う人たちが参加しており、そこで集めた費用を特定の宗教(神社)に支出して、その宗教行事である神社祭礼の費用に使うことは、信教の自由を侵すことになります。神社祭礼も、他の宗教が宗教行事をおこなう場合と同じように、その神社の信者としての氏子なり崇敬者なりが、主催・関与するのが当然であり、それへの協力は、住民の自由意思によるべきだと考えます。(豊)

〔2000・5・13(土)〕



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