2000年4月24日(月)「しんぶん赤旗」

 衆議院の予備調査制度とは?


 〈問い〉 衆議院に予備調査という制度ができたと聞きます。どういう制度なのか、日本共産党の態度を含めて教えてください。(東京・一読者)

 〈答え〉 衆議院の予備的調査は、一定の数の議員の要求にもとづき、行政実態や不正腐敗など国政調査を補完するため、あらかじめテーマを決め、調査するという制度です。九七年十二月の国会法改正(決算行政監視委員会設置等のため)、衆議院規則の改正で創設されました。

 日本共産党は、国会が、国権の最高機関として行政への国民の苦情処理、不正や腐敗の監視のための国政調査の権限を強めることには、賛成です。

 しかし、予備的調査は、調査の創設にともなう調査局や法制局の権限に立ち入り調査権が付与されていないうえ、調査対象も官公署に限定され、公益法人などその他の関係機関は対象となっていません。また、予備的調査の発動要件は、委員会の議決または四十人以上の議員の連名による要請を受けた場合となっています。

 日本共産党は、「行政の監視は、少数党の意向こそ尊重されるべき」であり、予備的調査に、大会派しか活用できない四十人以上という高いハードルは設けるべきではないとして、採決では反対しました。その際、国会の行政監視の機構と機能の強化のため、せめて「二十人以上の議員の要請」があれば発動できるよう要件を緩和すべきだとも提案しました。

 予備的調査は、委員会の命令にもとづいて開始され、調査が終わると、委員会に報告書が提出され、委員長が議長に報告することになっています。

 この間の予備的調査件数は十件、うち委員会議決にもとづくもの一件です。神奈川県警の警察官不祥事や金融機関の行きすぎた営業活動による個人等の被害については、野党各党の共同が実現し、予備的調査が実施されました。また、難病のヤコブ病の問題で、厚生省の対応にかんする調査もはじまりました。(吉)

 〔2000・4・24(月)〕



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