日本共産党

 2001年5月2日(水)「しんぶん赤旗」

 金融商品販売法が施行されたが…?


 〈問い〉 四月から金融商品販売法が施行されましたが、消費者サイドから見てどういう法律なのでしょうか。 (広島・一読者)

 〈答え〉 金融機関は、バブル期を頂点に、リスク(損失の危険)の高い商品(融資一体型変額保険、ワラント債など)を、金融知識に乏しい高齢者等をターゲットに売り込みました。その結果、元本割れで巨額の負債を背負う被害が続出しています。

 そのなかで、「顧客の保護」を建前に昨年成立したのが金融商品販売法です。法律は、銀行や証券、保険などの金融機関が商品を勧誘・販売するときに、「元本割れのおそれがある」ことなどの説明を義務付け、違反した場合は、損害賠償責任を課すこと等を規定しています。

 しかし、法律は、金融自由化推進のためにいかに業者責任を回避して効率的な取引を保障するか、という金融業界の立場からつくられたため、実効性に欠けるなど欠陥だらけのものになっています。

 例えば説明義務の規定も「元本割れの危険」だけでなく、商品の仕組みを含めて顧客の納得を得るまで説明するようにさせなければ、形式的な説明だけで説明責任を果たしたとする責任逃れを防ぐことはできません。また法律は、顧客の投資経験や財力に見合った勧誘を求めるべきこと(適合性原則)や顧客の依頼によらない勧誘(不招請勧誘)をしてはならないことを明示せず、業界の自主ルールまかせにしています。

 日本共産党は、このような欠陥を是正するために法案審議の中で修正案を提案しました。その柱は、
(1)商品の仕組みを説明義務の対象に加え、顧客の納得を得る説明や重要事項を記した書面交付を義務付ける、
(2)適合性原則違反や不招請勧誘などを法律で禁止する、
(3)裁判での立証責任を消費者側から金融機関側に転換する、などです。

 金融自由化で複雑な金融商品が次々に登場しているだけに、実効性ある消費者保護の法整備が急がれます。(

 〔2001・5・2(水)〕


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