床暖房の水漏れで修理 歩くとミシミシ音がする

回答者 一級建築士 三浦史郎さん(象地域設計) 弁護士 中村 宏さん(横浜合同法律事務所)


 

 三階建てマンションの三階に住んでいますが、リビングで床暖房の水漏れがありました。施工会社に話したところ、ガス会社と一緒に調べてパイプの穴を見つけ、パイプに継ぎを当てて暖房は回復しました。修理のためにはがした床板のところには、幅三十センチ、長さ百二十センチのフローリング板を張りました。ところが、歩くとミシミシと音がし、床暖房を付けるとキーキーと大きな音が収まらないのです。(東京都・F子)


 三浦 購入したのはいつですか。
 ――一昨年十二月に新築を購入しました。

 三浦 フローリングはどんな板をどう張りましたか。
 ――片方の突起ははめ込んだのですが、もう一方はのり付けしただけで、それが浮いてくるようです。板とパイプの間には銀紙がはさんでありました。

 三浦 穴は継ぎ当てたので一応機能は回復したのですが、床板が「ほんざね」(片方の出っ張った所と、もう片方の引っ込んだ小穴を合わせて浮き上がらないようにする加工)になっていないのですね。床板が浮くときに木と木が擦れ合って床鳴り音が出ます。その補修の仕方では避けられないですね。
 基本は「ほんざね」で組み合わせながらくぎを併用しますが、それが接着だけになっているのでは弱いですね。かといって、くぎを使うとパイプに傷を付けるかもしれません。
 最近のマンション用床暖房には温水マットといって「小根太」というくぎ打ちのできる材料が入っているものがありますが、どういう仕様かで対策も異なります。ただし、補修の方法は幅三十センチ、長さ百二十センチの板ではなくて、もう少し広い範囲で施工ができればいいのです。
 床暖房も何カ所かに分かれているのでは?
 ――三カ所に分かれているそうです。

 三浦 リビングの広さは。
 ――十二畳ぐらいで周囲十五センチはパイプがないと聞きました。

 三浦 まだ新築ですからパイプも床も、継ぎはぎの部分的な補修ではなく、技術的に問題を残さないよう一カ所分とか一部屋分とかの補修を要望したらどうでしょうか。床暖房の配管の入り口と出口の所できちんと直す方が後々はいいのです。
 中村 販売会社は現場を見ていますか。
 ――いいえ。
 中村 法律上は瑕疵(かし)担保責任といいますが、欠陥を追及する意思表示はしていますか。
 ――これからです。
 中村 あなたは欠陥を指摘して、一定の修理をしたが完全に元の原状に至っていないこと、損害賠償請求をすることを文書で売り主に通知しておく必要があります。その通知はあなたが引き渡しを受けカギをもらった日から二年以内に届けなくてはならないのです。
 それは内容証明郵便で出すものです。書き方はお近くの弁護士や司法書士の方に相談してください。


( 2002年09月18日)



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。


著作権:日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp