管理規約ではペット禁止/でも飼っている人います

回答者 弁護士・萩尾健太さん


 築4年で70戸のマンションです。管理規約で犬や猫などのペットを禁止しています。でも、内証で飼っている人もいます。うちの子どもは猫が好きで、どうして飼えないのかとうるさいのです。どう考えたらいいでしょうか。(大阪府・E子)

◇  ◇

 萩尾 管理規約の中身は。

 ──飼ってもいいものは魚や小鳥などのみに限られ、犬や猫などは禁止されています。

 萩尾 ひそかに飼っている方のことで管理組合の理事会で問題になったことは。

 ──私が理事になった2年前に、何度か話題になりました。その時、理事会では、ペット禁止の規約を守る立場から、様子を見て注意を喚起しようということになりました。

 萩尾 ペットが飼えるように規約を変えようという話にはならなかったのですか。

 ──入居時にペット禁止の規約を誰もが認めていますから、規約を守らないほうが問題だという感じです。
 規約にはどんな法的根拠があるのですか。

 萩尾 管理規約は区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)に根拠を置いていて、管理規約の重要な内容が区分所有法で定められているのです。

 ──ペット禁止もそうですか。

 萩尾 いいえ。共用部分の変更・管理など、あくまで重要な項目だけです。ペットについては、それぞれのマンション住民の自主性に任されています。近ごろではペットを飼えるマンションも増えてきていますよ。

 ──標準管理規約はペットについて何か述べているのですか。

 萩尾 国土交通省が今年の1月23日に発表した「マンション標準管理規約」のことですね。「犬・猫等のペットの飼育に関しては、それを認める、認めない等の規定は規約で定めるべき事項」とコメントしています。あくまでマンション住民の意思で決められる問題だということです。ペット禁止の規約を改定して飼えるように規約を変えたマンションもあります。

 ──私自身は猫は好きですが、犬は何回も追いかけられた体験があるので怖いのです。ペット自由となれば、大きなヘビとか恐ろしい動物を飼う人まで出てこないか心配です。

 萩尾 そういう方もいるでしょう。また猫や犬を飼いたいという人もいるはずです。マンションが建ってから数年になると、お互い気心も知れてくる面もあるでしょうし、ここは理事会の議題にしてもらって、まず住民のアンケートをとるなりして皆さんがどう考えているかつかむのも一つの方法ではないでしょうか。
 十分な話し合いの上で、規約を変えようじゃないかとなるかもしれません。しかしその際にも、大きなヘビは飼ってはダメなど、飼える動物の種類や数を限定することも新しい規約でできるのです。

(「しんぶん赤旗」2004年11月17日)



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