水道代、駐車料未払いの暴力団組員に対応の仕方

　41戸の分譲マンションの理事長です。マンション内に警察もマークしている暴力団組員が賃貸で住んでいて、水道代と駐車料を滞らせています。請求書を出すと、口では「払う」と言いながら１年以上払いません。管理組合としてはどのように対応したらよいでしょうか。（宮城県・Ｈ生）

　高畑　水道代の方は全体が一口で入っているのですか。

　──そうです。しかもこの人は二カ月で二万円を超えて、未払いが一年以上も続いています。
　駐車料の方は払えないと言うので解約しましたが、何度注意しても空いている駐車場に止めるので利用者が困っています。

　高畑　管理組合はどのように請求を。

　──管理組合としては規約で決まっているので、区分所有者に管理費と修繕積立金の支払いを求めています。区分所有者はその暴力団組員から家賃が全然入らないと言いながらも、請求分については何とか払っています。
　組員には水道代と、賃借人が直接払う契約になっている駐車料の未払い代金を請求しています。
　未払いは早く解決したいのですが、この状態が続く時はどのような法的手段を取ることができるでしょうか。

　高畑　共同の意思に反する行為なので、管理組合が水道を使用することの停止を伝えてみたらどうですか。

　──今までにも長期に及ぶ滞納者には、管理組合が水道使用の停止を伝えてきました。ただ、今回は相手が暴力団組員なのでどうすればいいか苦慮しています。

　高畑　あなたの方が正当なのですから、管理組合として対応をはっきりさせ、泣き寝入りしない姿勢が大事だと思いますよ。
　水道を止めて、相手が滞った分を払えばいいですが、それで暴力や嫌がらせなどをするなら、使用禁止（区分所有法五八条）あるいは管理組合による契約の解除・引き渡し請求（同六〇条）等の対象になります。
　区分所有者自身も被害者ですから、理事会が本人とも話し合って、本人が明け渡し訴訟を起こすよう相談してみることもよいと思います。

（「しんぶん赤旗」２００４年０３月１７日）