10戸で共同建て替え相談/その利点と心配なことは

回答者 マンション管理士 千代崎一夫さん(ハウジングケースワーカー・住まいとまちづくりコープ)


 現在はマンション住まいではなく、築四十年になる戸建て住宅の密集している所に住んでいます。その十戸ほどが相談して、みんなで建て替えマンションにという話がでてきました。マンションとはどういうものですか。一緒に建て替えるということでも、みんながバラバラになってしまうような気がします。うまくいくものでしょうか。(東京都・Y生)

千代崎 古い住宅では、道路に面していない敷地なども含めて一連の敷地になっている所がかなりあります。
 駅前などのいくつかの敷地を一緒にして大きなビルを建てるのは「再開発」といいますが、こういった小規模で、住宅を中心としてみんなで建て替えをする場合は、「共同建て替え方式」と呼んでいます。
 この方式では、自分たちで住むことができて、余った面積を貸したり売ったりして、建て替え費用の一部に充てることもできます。

――相談した時は敷地いっぱいに建てられると喜んだのですが。

千代崎 そうではありません。敷地から計算される建物面積の目いっぱいに建てるのではなく、必要な面積だけをつくることで建築費も下がり、借りて建てる場合も返すお金が少なくて済みます。

――その建て替え方式の利点は。

千代崎 それはこれまで長く近所付き合いしてきた人ばかりですから、最初からコミュニティーができることです。今後のマンション生活がスムーズにいくでしょう。
二番目はみんなで管理する共用部分も、専有部分である住戸の内部も、自分たちの生活にあわせた設計ができます。マンションでありながら間取りや設備などがお仕着せでないことになります。
 三番目は、店舗や町工場などいままでの仕事をマンションに組みこむことも可能になります。そこで起きる騒音や臭いなどの対応も、みんなで話し合いながら計画を作ることができます。

――建て替え費用では不安の声が上がっていますが。

千代崎 それも自分たちの計画で行なえば、市場価格より安くできますよ。業者が建設したものと違って、売るための経費も掛かりませんし、自分たちが利用する分と貸して使う分、分譲する部分などを自由に組み合わせて建てられます。
 それに条件が整えば、融資や補助金などの優遇制度を利用できます。なかには設計費用や工事費用の一部の助成制度を設けているところもあります。
 ただ、よいところばかりがあるわけではありません。建ててしまえば、普通のマンションと変わらないので、トラブルはでてくると思います。
 知り合い同士のよさと、集合住宅の利便性を兼ね備えた共同建て替えは、都市部での老朽木造家屋を安全で安心して住める街にする上で回答の一つといえるでしょう。

(「しんぶん赤旗」2003年2月19日)



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