■「マンション耐震強度偽装事件」

2005年11月24日(木)「しんぶん赤旗」

耐震偽造問題

民間まかせでは見抜けない

1都2県の党議員ら国交省と懇談



国交省 「(民営化)方向間違ってない」

植木都議 「建築確認の業者が中間検査」

 「民間まかせ行政が招いた事件ではないのか」。二十二日、姉歯建築設計事務所(千葉県市川市)による構造計算書の偽造問題について国土交通省から説明を受けた日本共産党議員団。国民の生命・財産より企業のもうけを優先させた「民営化」の実態に、参加した党地方議員らから怒りの声があがりました。

 懇談に参加したのは、小池晃政策委員長・参院議員、笠井亮衆院議員、大森猛元衆院議員をはじめ、公表された二十一棟の「偽造物件」が所在する一都二県(東京、神奈川、千葉)の地方議員や、党地区のマンション対策責任者など。

 小池議員は、偽造が見破れなかった背景として「建築確認を民間に開放した問題があったのではないか」と指摘。笠井議員も「すべての民間検査機関の調査と情報の公開」などを求めました。

 国交省側によると、一九九八年の建築基準法「改正」以後、民間検査機関による建築確認数が急増、二〇〇四年度は七十五万二千五百三十四件中、民間は四十一万八千八百七十一件。行政より検査が甘くなるとの指摘には、「これまでなかった中間検査が盛り込まれた」「方向性は間違っていない」と回答しました。

 これに対し、「中間検査数が伸びたというが、建築確認を出した民間機関が中間検査もしては偽造は発見できない」(植木こうじ都議)「千葉県は『報告がくるだけでチェックできない』といっている」(小松敦県議)と批判が続出。実際、問題の二十一棟のうち二十棟の建築確認を出した指定確認検査機関「イーホームズ」(東京・新宿区)は、中間検査や完了検査を実施しながら偽造を見抜けませんでした。

 新宿区の沢田あゆみ区議は、現在、区内の建築確認数の七割が民間で行われ、そのうちの半数がイーホームズが請け負っている実態を示し、「区民に不安が広がっているが、区の相談窓口では構造計算のやり直しは受け付けていない。ほかに依頼すると、数十万円から数百万円の費用がかかる」と訴えました。

 千葉県船橋市の佐藤重雄市議は「市長も『自治体でやればこんなことは起きなかった』といっている」と指摘したうえで、「建物周辺の住民も危険にさらされている。業者が建物を放置しないよう、国も至急対策をたてるべきだ」と要求。川崎市の佐野仁昭市議も「住民の避難先として、国の空き官舎の解放も検討すべきではないか」と提案しました。



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