私と「赤旗」 2012

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「政治改革」本質つく

神戸学院大法科大学院教授 上脇博之さん

 創刊当時は天皇制ファシズムとたたかい、戦後も民主主義のために奮闘してきた「赤旗」に敬意を表します。「84年」というのは政党機関紙として世界的にも特筆すべき歴史ではないでしょうか。

 1994年の「政治改革」では、財界や米国の要求で、民意を歪曲する小選挙区中心の選挙制度に改悪されました。福祉国家政策を否定する新自由主義政策と米国の戦争に協力するための憲法9条改悪が狙いでした。

 「赤旗」は、当初から「政治改革」の本質を明らかにし、真っ向から反対する論陣を張ってきました。主権者・国民の視点で、比例定数削減の問題点を図表なども駆使してわかりやすく説明しています。

 それに比べ、商業マスコミは、財界や米国のための比例定数の削減を主張する論調が少なくありません。両者の違いは決定的です。

 日本が真の国民主権、議会制民主主義の国といえるためには普通選挙の実現だけでは不十分です。選挙運動の原則自由化、民意を正確に反映する比例代表制の採用、政治腐敗の温床である企業・団体献金の全面禁止、政党を国民から遠ざけてしまう政党助成金の廃止は、最低条件です。

 「赤旗」には、この「条件」が充足されるよう今後も奮闘してもらいたいと思います。

(2012年2月2日付)