2005年10月22日(土)「しんぶん赤旗」

佐用町(4町合併)長選へ住民が期待

「住民が主人公」の25年間 兵庫・旧南光町長 山田兼三さん


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 兵庫県南光町を含む四町合併で今月一日に新しい佐用町が発足し、南光町は五十年の歴史を閉じました。新町の町長選は十一月八日告示・十三日投票でおこなわれます。日本共産党員で旧南光町長の山田兼三さん(57)が立候補します。「住民が主人公」を貫いた山田町政をふりかえりました。    隅田 哲 写真 林 行博

■ひまわりで町おこし 

 町は兵庫県西端の農村地域。山田氏は町民と力を合わせ、ひまわりによる町おこしをすすめ、南光町は「ひまわりの町」として有名になりました。毎年、町内の七、八カ所で三十―四十ヘクタールの集団栽培がおこなわれ、テレビや新聞でも大きく紹介されています。今年は百六十万本が咲きました。夏恒例のひまわり祭りには全国から約十五万人が訪れます。

 ひまわり栽培が始まったのは一九九〇年。ひまわりの種からとれる油から、ドレッシング、ボディーソープ、カレーなどの加工品を町の特産品として販売しています。先月、よみうりテレビの「新どっちの料理ショー」で町のひまわり油が「からっとあがり、香りがいい」と紹介されました。

 ひまわり油の加工施設「ひまわり館」を運営し食品開発にも携わる地元主婦たちのグループの一員、西本千枝子さん(48)はいいます。「自動車が素通りする町でひまわり祭りが始まり、ひまわり館もでき、大勢の人が寄るようになりました。私たちがつくったひまわりの油やモチをお客さんはおいしいといってくれる。やりがいがあります」

■町外からの施設利用も

 山田町政は国・県の補助も得て数々の施策を実現してきました。厚生労働省推奨の「8020運動」(八十歳になっても二十本の歯を残す運動)発祥地の歯科保健センター、小中学校校舎・体育館の改築、全町的な町営水道の普及、各戸に通じる町道の拡張・舗装…。

 野球場と多目的グラウンド、テニスコート五面、ドーム競技場(ひまわりドーム)がある総合運動公園「若あゆランド」。町外の利用者も多く、甲子園出場をめざす高校野球チームが練習試合をするところとして知られています。中学一年の息子が佐用町の少年野球チームメンバーという岡山県美作市の主婦(37)は「水はけがいい球場です。自然が多いし楽しく野球ができます」といいます。

 元「若あゆランド」管理人の谷邑寛律さん(71)は「さまざまなスポーツを通じて住民同士の交流が深まりました。町外から利用もあり、町は活性化しました。山田さんには町のいいところを生かしてがんばってほしい」と話します。

■ガラス張り町政を実現

 二十五年前、南光町は同和問題で大混乱していました。「解同」(部落解放同盟)の一部幹部が町政を牛耳り、町予算の半分を同和予算が占め、公共事業も一部の業者が独占。町民に「同和隣保学習会」を強制するなど自由にものがいえない状況でした。

 町長に就任した山田氏は直ちに町政の流れを変えました。同和行政を正常化し、「同和隣保学習」も廃止。公正な入札制度を確立し、ガラス張りの町政を貫いて贈収賄などの汚職事件は起きていません。

 「同和問題で混乱していた町を山田さんは救ってくれた。自由にものがいえるようになった」というのは農業を営む嘉地巳一さん(81)。「山田さんは集落ごとの懇談会を開いたりして町民の話に耳を傾けました。それが町民のためのいろいろな事業につながっていきました。これからの町づくりにも携わってほしい」

 山田兼三さんの話 「25年間、汚職がなく、ひまわりの町づくりをはじめ『住民が主人公』の町政にとりくんできました。この経験を新しい町づくりに役立てたい。4町の良さを生かしながら、安心の福祉と健康の充実、教育と文化・スポーツ振興、総合的な産業振興などの施策を新町全体に行き渡らせたいと思います。なんとしても勝ち抜きたい」


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