2005年8月11日(木)「しんぶん赤旗」

国交省の「談合防止策」

政治献金と天下りの全面禁止に手つけず


 製鉄・重工業の四十七社の大企業で「紅葉会」(K会)、「東会」(A会)という談合組織をつくり、四十年間も継続して「橋梁(きょうりょう)談合」をおこない、年間鋼製橋梁工事の約六割を独占受注していた事件は、国民の税金を原資とする公共事業が大企業の食い物にされていることを改めて明らかにしました。

 同時に問題となったのは、独占禁止法違反容疑などで逮捕された日本道路公団副総裁がこの談合に積極的に関与し、天下りした官僚OBを窓口に、発注官庁と受注業者が組織的に官製談合を繰り返してきた官財癒着の実態でした。

 このようななかで七月二十九日、国土交通省が「大規模な(橋梁)談合事件が発生したことを踏まえ」て「談合防止策」を発表しました。内容は、▽天下りの見直し▽一般競争入札の拡大▽価格のみではなく技術力など総合的価値による競争を図るとする総合評価方式の拡充などの入札制度の改変▽談合をおこなった業者にたいするペナルティー強化―などです。

■官製談合はなくなるのか

 しかし、この防止策によって官財の癒着による官製談合がなくなるとはとてもいえません。

 確かに今回の橋梁談合にかかわった談合組織に加盟する四十七社への天下りは自粛したものの、官僚の天下り、天下り受け入れ企業の公共事業優先受注、受注企業の政党、政治家への献金という構造そのものには本格的に手をつけていません。企業の政治献金と天下りの全面的禁止という当然の措置は依然として聖域になっています。

 入札制度の改変も同様です。公共事業の入札はいままで多くが指名競争入札、つまり発注官庁が複数の業者を選び、そのなかで主として価格競争をおこない、一番低価格の入札参加業者が落札する入札方法がとられてきました。しかし、この制度では明らかに発注官庁の恣意(しい)がはたらき、談合が発生しやすくなることから、一定の資格や実績があればどんな業者も参加できる一般競争入札に変えるというものです。

■一般競争入札の拡充が防止に?

 いままでも大型工事(七億三千万円以上)は一般競争入札でおこなわれてきました。しかし、談合がなくなったわけではありません。あの手この手で情報を入手し、談合して仕事を確保することは、制度を変えても容易になくなるものではありません。それは前述の癒着構造が存在するからです。

 橋梁談合でも明らかになりましたが、談合がおこなわれた可能性を確かめる方法はあります。それは発注官庁が作成する予定価格(材料費や労務費を積算して価格を決める)に限りなく近づく入札をチェックすることです。

 日本道路公団発注の工事では、ほぼ100%近い価格で入札することも少なくありません。そうした入札の場合は談合した可能性があるとしてその入札を無効とし、再度入札をおこなうこともひとつの方法です。このようなかなり抜本的な入札方法をとらない限り談合を防止することはできません。

■第三者による入札監視制度を

 入札監視制度を第三者がおこなうことも重要です。国交省の談合防止策でも省内に公正入札審議委員会を設置し、「談合の疑いがある案件を審議し、入札結果を統計的に分析する」としています。その中に有識者を入れるとしているものの、発注官庁である国交省が事務局になる結果、公正な監視がおこなわれるとはいえません。

 公正、透明な第三者機関の設置が必要でしょう。今回の談合防止策は以上の点から、国民の批判の前に一定の取り繕いをした点はあるものの、とても談合を防止し公共事業のむだ遣いをなくし、政官財の癒着構造を正すものとはいえません。(日本共産党国民運動委員会・高瀬康正)


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