2005年7月22日(金)「しんぶん赤旗」

アルゼンチンの公共料金凍結

多国籍企業が受け入れ

賠償調停要請とりさげる


 【メキシコ市=松島良尚】アルゼンチンの公共サービス部門に進出した多国籍企業二社が、同国政府が公共料金を凍結しているのは不当だとして国際機関に求めていた賠償調停要請を取り下げたことが十九日判明しました。七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)や国際通貨基金(IMF)がアルゼンチン政府に料金値上げを迫っているなかで多国籍企業の態度変更が注目されています。

 要請を取り下げたのはいずれもスペイン系の電話会社とガス会社。両社は、アルゼンチンが通貨制度を変動相場制にした二〇〇二年以降、ペソ切り下げにもかかわらず料金が凍結され損害を受けたとして、アルゼンチン政府に三十億ドル(約三千三百九十億円)以上の賠償を要求。世界銀行グループの国際投資紛争解決センター(ICSID)に対し調停を求めていました。他の民営化企業を合わせると、賠償請求は約百七十億ドル(約一兆九千二百億円)にのぼります。

 アルゼンチンのキルチネル政権は、民営化企業がペソ切り下げ以前に十分な収益を上げていたことに加え、公共料金値上げによるインフレが経済回復の障害になるとして、企業側の料金値上げを拒んできました。

 キルチネル大統領は「この国で事業を続けたいのなら、連帯する姿勢を示すべきだ」と、他の民営化企業にも賠償請求の取り下げを求めました。

 キルチネル政権は現在、IMFから新融資を受ける交渉中ですが、IMFはその条件として、インフレ抑制を求めながら、公共料金の値上げを求める矛盾した態度を取っています。


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