2005年5月6日(金)「しんぶん赤旗」

「九条の会」　ビデオに

梅原猛さんがメッセージ

　「九条の会」のこれまでの活動や、作家の大江健三郎さんをはじめ九人のよびかけ人の講演をまとめたビデオ「９ｎｉｎｅ―憲法九条は訴える！」が完成しました。

　これまで同会の講演会などで発言することのなかった仏教哲学者の梅原猛さんが、インタビュー取材に応じてメッセージをおくっているのが注目されます。

　このビデオは、「九条の会」の協力で、九条を守ろう！映像プロジェクトが制作したもの。小森陽一東大教授・「九条の会」事務局長が監修しています。

　ビデオには、梅原、大江両氏のほか、よびかけ人の井上ひさし、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の九氏全員が登場しています。

　梅原さんは、「われわれのような戦中派から見ると、戦争を若いときに体験した人間から見ると（今の状況は）大変危ない。また日本が軍事国家になるのではないかという懸念が大変強いのです」と警告。「仏教の不殺生、『人を殺してはいけない』『生きているものを殺してはいけない』というのは、これはどうしても核戦争を避ける重要な戒律である。そういう不殺生の理想を、憲法は大事にしなければならない」とのべています。

　ビデオは、約四十五分。憲法改悪により日本が戦争する国家になっていく恐ろしさを子ども向きに分かりやすく解説した絵本『戦争のつくりかた』（りぼん・ぷろじぇくと、マガジンハウス刊）を、俳優の根岸季衣さんの朗読で紹介。コメディアンの松元ヒロさんのパフォーマンスなども登場しています。

　二日夜、完成上映会であいさつした製作者の中橋真紀人さん（５４）は、「百人、五百人、千人の集会で上映して、九条を守る材料として生かしてほしいです」とのべ、草の根でのビデオ上映運動を呼びかけました。

　製作基金一万円に参加すると、一セット（ＤＶＤ一枚・ＶＨＳ一本）を届けてくれます。

　問い合わせは、九条を守ろう！映像プロジェクト　（電話）０３（３５１１）７０３１まで。