2005年4月7日(木)「しんぶん赤旗」

けいざい

福祉予算 一番多いって?

国際的にはまだ不十分


 小泉首相が国会で「日本は国民の税金を、福祉関係費用に一番あてているんです」と言っていました。本当ですか


 国の予算を一番福祉にあてるのは当たり前のことです。高齢化の進展にともなって社会保障関係費は毎年増加します。ヨーロッパ諸国では、どの国も社会保障に多くの費用をあてています。日本は増加しているとはいえ、まだまだ少ないのが現実。むしろ、さらに切り縮めようとしているのが小泉内閣です。

経済力と比較

写真

「福祉のため」でない消費税=東京都内

 日本や欧米の諸国では高齢化が進展しています。高齢化の進展につれ、国や地方の社会保障費が増加するのは、むしろ当たり前の傾向です。

 社会保障は、国と地方が担っています。その全体の支出を見るとどうなるでしょうか。社会保障への公的社会支出(医療、年金、介護など)を、国の経済力(国内総生産)と比較してみます。日本は、欧米諸国と比べても高齢化が急速に進展しています。しかし、各国と比べ、経済力に占める公的社会支出の割合が低いことが分かります。

 「社会保障関係費に二十兆四千億円ですよ。日本政府が一番使っているのは、社会保障関係です」(三月四日、参院予算委員会)。国の予算だけを取り上げての小泉首相の発言。たしかに社会保障関係費は、国の予算の中で24・8%(二〇〇五年度予算)を占めます。

 しかし、首相と同じように国家予算だけに注目すれば、アメリカは、保健や医療保険、所得保障、社会保障年金だけでも、合計59・2%(〇六年度大統領予算)を占めています。

 社会保障の財源は誰が負担しているかを見てみましょう。社会保障の主な財源は、社会保険料と税金です。

重い庶民負担

グラフ

 日本の場合、社会保険料は基本的に労使折半。ヨーロッパ各国は、労働者の負担よりも企業の社会保険料負担の方が重くなっています。

 日本の税収は、消費税収が増加する一方、所得税収と法人税収は年々低下しています。不況による影響のほか、政府が、法人税率と所得税の最高税率を相次いで引き下げてきたのが理由です。大企業、高額所得者を優遇しながら、庶民に増税を押し付け、社会保障の財源を確保してきたのが、日本のこの間の実態です。

 年金、介護に続き、医療改悪をたくらむ政府。小泉首相の「一番使っている」発言は、“いっそうの社会保障費削減”と、“社会保障財源の確保のために消費税増税”という、二つのたくらみを合理化する発言にほかなりません。

 (山田英明)


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