2005年2月26日(土)「しんぶん赤旗」

沖ノ鳥島 日本共産党の考えは?


 〈問い〉 国連海洋法条約第121条3項は「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない」とありますが、沖ノ鳥島について日本共産党はどう考えますか? (福島・一読者)

 〈答え〉 満潮時には海面から数10センチの高さしか姿を見せない沖ノ鳥島ですが、私たちは、同島の「島」としての地位を否定する国際法上の決定的根拠は存在しないと考えます。

 国連海洋法条約第121条3項は、「島」の定義を定めたものではなく、あくまでも「人間の居住」や「独自の経済的生活」が維持できない「岩」を想定する条項であるといえます。

 しかし、「居住」や「経済的生活」が可能かどうかの判断は厳密なものではなく、実際に人が住んでいない島や現実に経済活動が不可能な島であっても、排他的経済水域(EEZ)が設定されている例もあります。

 たとえば、太平洋のクリッパートン島(仏領)は、無人で経済生活が営まれていない島であるにもかかわらず、EEZが設定されています。このような無人島であっても、外部からの補給による小集団の居住や、一時的な中継基地として使用された実績などがあれば、「島」であると主張することは可能だとの専門家の指摘もあります。

 ご指摘の第121条3項も、現状での人の居住や経済活動の有無を絶対条件としているわけではありません。

 一国の経済主権の有無を判断する基準は、明確かつ客観的な判定材料によるべきであり、そのような基準となりえるのは、同条第1項が定める「島」の定義です。すなわち「島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるものをいう」という基準を適用すれば、沖ノ鳥島は十分に「島」であるということもできるのです。

 したがって、沖ノ鳥島は日本の領土であると同時に、同条約などの国際法規に照らしても、日本の排他的経済水域を設定することは可能であると私たちは考えます。(林)

 〔2005・2・26(土)〕



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