2005年2月23日(水)「しんぶん赤旗」

愛媛県警裏金の追及

元北海道警幹部、巡査部長と連帯

続くいやがらせ 告発者守ろう


 「私は裏金に手を染めた」と語る元警察幹部。「私は三十二年間領収書を書かなかった」と話す現職警察官――。警察の裏金づくりの実態を告発した元北海道警釧路方面本部長の原田宏二氏(67)と愛媛県警の仙波敏郎巡査部長(56)が松山市で開かれた集会で初めて出会い、世論の力でヤミにつつまれた裏金のシステムを解明しようと呼びかけました。

 集会は「仙波さんを支える会」(東玲治代表)が愛媛県警の裏金疑惑を追及するために開いたもので、百人を超える参加者がつめかけました。

 原田氏は仙波氏の第一印象について「私よりずっと堂々としている。それは彼が裏金に手を染めていないからだ」と紹介。各地で起きている警察裏金問題と、不正を追及する運動にふれながら「情報公開制度やオンブズマンの活動によって、『役人のやっているいろんな部分を透明化しろ』という大きなうねりが起こっている」と指摘。個人の利益のために行動するのではなく、個人的な利益を投げ出して内部告発している仙波さんを励まし、「仙波さんを守ることは社会を守り、よりよい愛媛県警をつくることです」と訴えました。

 「原田さんに、どうして現職の時に(裏金のことを)言わなかったのかときつい言葉をかけてしまった」と笑いながら語った仙波氏。「県民のみなさんに信頼されなければ犯罪の検挙はできない。それが告発した動機」と話しました。告発後も怪文書がばらまかれるなどのいやがらせや、県警から四度にわたる事情聴取のなかで「裁判に提出予定の資料を書面で出してくれ」などと要求されていることを紹介。あわてふためいている県警の姿に触れながら「あとひと押しで城の壁は崩れる」とし、支援を訴えました。

 仙波さんを支援するために北海道から原田氏とともに駆けつけた市川守弘弁護士は、「キャリアを含めた、裏金づくりのシステムの全ぼうについて明らかにすることが必要。そのためにも超党派の市民運動を広げることが大事だ」と話しました。

 集会に参加した矢田泰彦さん(51)は、「仙波さんは明るく話され、話は真実だと率直に感じました。現職の人が、もっと県民に事実を語り、警察への信頼を回復してほしい」と話していました。



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