2005年2月23日(水)「しんぶん赤旗」

民主の「郵政改革」論議

民営化賛成が本音?


 民主党は二十三日の「次の内閣」会合で郵政改革の集中討議を行い、三月中旬をめどに党としての見解をまとめようとしています。政府・与党の間で郵政民営化法案のすり合わせが進み始めた動きを意識したもの。衆参予算委員会での論戦をみると民営化そのものには「反対」しない同党の態度が見えてきます。

政府に注文つける

 民営化法案づくりで政府と自民党執行部が土台にしているのは、政府が昨年九月に閣議決定した「郵政民営化の基本方針」です。三百五十兆円にのぼる郵貯・簡保資金を「公的部門から民間部門に流し」、民営化後の経営形態も窓口サービス、郵便、郵貯、簡保で四分社化するもの。この「基本方針」に対し民主党は「巨額の郵貯・簡保資金をどのように減少させ、どのように他の分野に移すのかという計画的な改革プログラムが必要」(仙谷由人政調会長、昨年九月十日の談話)との立場をとってきました。

 国会論戦でも「郵貯、簡保については民間でもできることであり、将来的には民営化が本筋」(岡田克也代表、一月二十四日の衆院本会議)としながら、郵貯・簡保資金の運用や郵政公社が所有する国債などの問題で政府の姿勢に注文をつけるのが質問の基調です。

 岡田代表の代表質問を受けた形で小川敏夫議員は、「いい内容の民営化であれば近い将来、民営化には民主党も賛成だが、内容いかんだ。小泉総理が言っている民営化が大きな疑問点を抱えている」(一月三十一日、参院予算委)と指摘。「疑問点」は、郵貯・簡保資金がいかに民間に流れるかの説明にあるというものです。

まとまらないが…

 国会質問で郵政民営化賛成の表明が出る一方、民主党全体としていま民営化一本でまとまってはいません。支援を受けている労働組合との関係から民営化に反対する議員もおり、昨年九月には「日本郵政公社を発展させる議員の会」を設立しています。ただ、その「議員の会」も「民営化は時期尚早」とする立場で、民営化そのものを否定しているわけではありません。

 政府側は「郵政三事業を民間市場システムに吸収統合し経済活性化する」(小泉首相)と繰り返しています。この点で民主党の岩国哲人衆院議員のように、「民間金融機関との適正な公平な競争という環境をつくる」(七日の予算委)との立場から、郵貯の預け入れ限度額を引き下げさせ、「三百五十兆の規模を段階的に縮小」すべきだとの意見もあります。岩国氏は「過大な存在が民間銀行の健全な発展を妨げないよう」にする立場から民営化に反対するという屈折した意見をのべました。(古荘智子)



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