2005年2月22日(火)「しんぶん赤旗」

衆院予算委 社会保障集中審議

与党、民主 消費税増税の大合唱

穀田氏 国民負担増を告発 


 二十一日の衆院予算委員会で行われた社会保障問題の集中審議は、消費税増税をはじめとする負担増と給付減を国民に押しつける大合唱の場となりました。

 この日の集中審議は、自民、公明、民主が、昨年五月の年金改悪法案の審議中に結んだ「三党合意」にもとづく「与野党協議」に参加するための「判断材料」として民主党が求めていたものです。「三党合意」は、「社会保障制度全般について、税、保険料等の負担と給付の在り方を含め、一体的な見直し」を行うと明記しており、社会保障の「財源」を口実にして、消費税増税に道を開く内容となっています。

 それを象徴するかのように、この日の議論でも、三党に共通していたのは、消費税増税の主張です。「小泉政権においても消費税を含めた税制、社会保障制度の改革の議論をどんどん進めるべき」(自民・石崎岳議員)、「直接税ではまずいから、消費税を(年金)目的税化する」(民主・田中慶秋議員)と露骨に消費税増税を競い合う自民、民主。公明党は「直間比率の見直しは世代間格差の是正につながっていく」(福島豊議員)として、「直間比率の見直し」の名による消費税増税を求めました。

財政危機陥れた浪費の反省なし

 負担増、給付減を国民におしつける手法は、「財政悪化、低成長、少子高齢化という三重苦」(福島氏)「経済の身の丈に合ったものにしなければ長続きしない」(谷垣禎一財務相)と経済や財政の「危機」を強調して、「改革は痛みを伴う」と国民の「理解」を得ようというものです。「(国民は)公的制度でなければ生活できないという依存体質になっている」(自民・長勢甚遠議員)と国民に責任を転嫁するような議論まで飛び出す始末です。

 そこには、国民や高齢者の生活、暮らしの実態にもとづいて、社会保障制度を改革しようという姿勢もなければ、ムダな公共事業の浪費を続け財政危機をもたらしたことへの反省もありません。一九九七年に橋本内閣が消費税増税、医療改悪など九兆円の負担増を強行し、不況から立ち直りつつあった日本経済を不況のどん底に陥れたことについても、まったく眼中にありません。

実態に基づいた共産党の論戦

 国民、高齢者の暮らし、生活の実態にもとづいた論戦を展開したのは、日本共産党の穀田恵二議員でした。

 政府提出の介護保険関連法案では、施設利用者の居住費、食費を全額自費負担にし、年間四十万円にも及ぶ負担増になることを告発しました。保険料は現行の平均月額三千三百円が、厚労省の試算で二〇一二年度には六千円にもなります。「利用者が払えない、利用できない、こんなことで制度が維持できるはずがない」とのべ、政府・与党が主張する「持続可能な制度」にも反すると追及しました。

 経済や財政の「危機」を口実にした自民、公明と民主の負担増、給付減の押しつけか、国民の生活、暮らしの実態にもとづいた改革か、対決点は明りょうです。山岸嘉昭記者



もどる
日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ

著作権についてリンクについてメールの扱いについて
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7  TEL03-3403-6111 FAX03-5474-8358 Mail:info@jcp.or.jp