2005年2月16日(水)「しんぶん赤旗」

映画「時代(とき)を撃て・多喜二」完成

没後72年 初のドキュメンタリー 


写真

多喜二の命日に墓前につどう人々(「時代を撃て・多喜二」から)

 プロレタリア作家小林多喜二を描く初めてのドキュメンタリー映画「時代(とき)を撃て・多喜二」が完成しました。

 「一九二八年三月十五日」「蟹工船」「党生活者」などの作品で知られる多喜二は、一九三三年二月二十日、天皇制権力に虐殺されました。映画は、その二十九年の生涯を、俳優による作品朗読やゆかりの人々の証言、研究者の発言、関係した地域の撮影などで描き出します。監督・池田博穂。脚本・橘祐典、池田博穂。撮影・南文憲。音楽・小六禮次郎。八十八分。

 有志からの資金提供に合わせて製作委員会が発足。全国から賛同者を募り、昨年の小樽での雪の墓前祭から撮影を続けてきました。

 非合法生活の多喜二と音楽会で会ったときの思い出を語る弟の三吾さんや、母親セキさんの実写フィルムなどの歴史的な記録とともに、映画化された作品のシーン映像や、津嘉山正種、浅利香津代の各氏ら俳優の力のこもる作品朗読などが、見る者に迫ってきます。

 “「蟹工船」が日本の全文壇に頭を下げさせた”と語る生前の松田解子さん(作家)や、高校のときに教師の勧めで「蟹工船」を読んだ感動を語る俳優の赤井英和さん。多喜二文学の誠実さを語るシカゴ大学教授のノーマ・フィールドさんほか多彩な人々が登場。多喜二を浮き彫りにし、映画はのべます。「いま多喜二を語ることは、過去を語ることではなく、現在を語ることである」。

 25日小樽、26日札幌、3月12日神奈川県伊勢原、15日徳島、4月8日東京都中野、16日釧路など各地で上映会が開かれます。

 製作委員会 電話03(5212)1383



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