2005年2月10日(木)「しんぶん赤旗」

イスラエルとパレスチナ

首脳相互訪問へ

ヨルダン エジプト 大使復帰決める


 【カイロ=小泉大介】八日のアッバス・パレスチナ自治政府議長とシャロン・イスラエル首相の停戦合意を受けて、イスラエルとパレスチナ双方で新たな動きが出始めています。首脳会議後、両首脳はそれぞれアラビア語とヘブライ語で「どこであれ、パレスチナとイスラエルに対する暴力行為はなくなるだろう」(アッバス議長)「今日は新しい希望の時代の始まりだ」(シャロン首相)と語りました。

 二時間にわたった会談でシャロン首相は次の会合に言及し、アッバス議長をイスラエル南部のネゲブにある同首相の別荘で行おうと招待。他方、アッバス議長もシャロン首相をパレスチナ自治政府があるラマラを訪れるよう招待しました。両首脳とも相手の提案を受け入れる意向を表明したと伝えられています。

 イスラエル政府はこれまでに拘束したパレスチナ人数百人の釈放を決定。またイスラエル軍は来週にもヨルダン川西岸のパレスチナ自治区のエリコ、ラマラ、ベツレヘムなどから段階的に撤退することを示唆したと伝えられています。

 エジプトのアブルゲイト外相は会談後の会見で、同国とヨルダンが四年前に召還していた駐イスラエル大使を復帰させると表明。イスラエルのシャローム外相は、新たにいくつかのアラブ諸国と外交関係を樹立する意向を表明しました。

 他方、パレスチナ過激派組織ハマスの幹部は、停戦合意が「共同声明」の形をとらなかったことは「和平を望まないイスラエルの悪い意図を示すもの」と表明。イスラエル側も過激派の出方次第との姿勢を示しており、停戦の実現には不確実な要素が残っています。



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